写真でみるホタル類の一生

 <ホタルのなかまの発光飛翔>

ゲンジボタルの飛翔
 ヘイケボタルの飛翔
 ヒメボタルの飛翔

                      
 第1回 ヒメボタルの一生


愛知県内では、5〜6月に成虫となりま
す。めすのヒメボタルは飛べませんので 
おすがめすのそばまで飛んできて地上で
交尾するようです。めすは、交尾が終わ
ると2〜3日で産卵し、死んでしまいます。
この写真は、人工飼育中に撮影したもの
です。 (三矢和夫氏提供)
 ヒメボタルの卵、直径約0.7mmのほぼ球
形。 (三矢和夫氏提供)

ヒメボタルの幼虫(人工飼育)。自然の状
態では、雑木林、竹やぶや河川敷の落ち
葉の下や土の中にすんでいて、草や樹木
を登ってくることがないので、人の前に現
れることはありません。大きさは、2〜
11mmで、陸生の小型巻貝を食べて成長
します。4回脱皮して終令幼虫になりま
す。刺激を与えるとゲンジボタルやヘイケ
ボタルの幼虫と同じように光ります。 
(三矢和夫氏提供)
 ヒメボタルのえさになるナミコギセル(人
工飼育)。(三矢和夫氏提供)
 ヒメボタルのさなぎ(人工飼育)。幼虫が
陸上にすんでいますので、そのまま陸上
で土まゆをつくります。そしてその中でさ
なぎになるため体をつくりかえる準備をし
ます(前蛹期)。それからもう一度脱皮して
さなぎになります。大きさは9〜10mmで
す。さなぎになってから8から10日で羽化
します。ゲンジボタルやヘイケボタルのさ
なぎ(約2週間)よりも短期間で成虫になる
ようです。
 (三矢和夫氏提供)

   第2回 ゲンジボタル

 愛知県内では、6月頃に成虫となります。めすのゲ
ンジボタルはあまり飛び回らずに樹木や草などにつ
かまったままで、光の点滅をくりかえして、飛び回っ
ているおすに合図を送ります。それに気づいた おす
がめすのそばまで飛んできて交尾するようです。め
すは、交尾が終わると産卵場所をさがして川の上流
方向へ飛んでいきます。そして、水辺のミズゴケなど
に数日かけて卵をうみます。この写真は、人工飼育
中に撮影したもの で、ミズゴケのかわりに、湿らせた
スポンジを産卵場所として与えています。 
 左: ゲンジボタルの卵、直径約0.5mmのほぼ球形

 右: ふ化直前の卵
  左: ゲンジボタルのふ化してすぐの幼虫
 (一令幼虫)、 体長約1.5mm  

 右: ふ化幼虫とえさのチリメンカワニナの幼貝

 上: ゲンジボタルの幼虫(4 令幼虫)、体長約1cm

 下: 脱皮したゲンジボタルの幼虫
  カワニナをたべているゲンジボタルの幼虫。口か
ら消化液をだしてカワニナの体をとかして、その液体
を吸い込んでいます。全部たべててしまうのに何日も
かかることがあります。カワニナの殻のなかに頭をつ
っこんでいますが、棒状のえらがからだの後ろのほう
にあるので、たべながら呼吸ができます。
 ゲンジボタルのさなぎ(人工飼育)。幼虫は、桜の花
が咲く頃の雨の降る夜に、陸に上がり土の中にもぐ
ります。そして、土の中で、土まゆをつくってさなぎに
なるため体をつくりかえる準備をします。それに、約1
ヵ月かかります。それからそこでさなぎになります。
大きさはおおむね12〜15mmです。さなぎになってか
らだいたい14日で羽化します。(古田忠久氏提供)

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