よくある質問
Q: ホタルの種類は、どこで見分けるのですか?
A: (成虫) ゲンジボタル、ヘイケボタルとヒメボタルの成虫は、背中の赤いところ(正式には前胸背板)にある黒い部分のかたちで区別できます。十文字のようになっているのが ゲンジボタル(写真左)です。幅の広いたて一文字になっているのがヘイケボタル(写真右)です。前のほうが半円形になっているのがヒメボタルです。
おす成虫背面 (左:ゲンジボタル、 右:ヘイケボタル) ヒメボタルめす成虫
(幼虫) 少し大きくなったゲンジボタルとヘイケボタルの幼虫は、背中のところの模様(正式には前胸背板、成長段階で変化します)で区別できます。ひし形から縦に長い楕円になっているのがゲンジボタルで、縦に長い棒状や十字架のようになっているのがヘイケボタルです。
ゲンジボタル幼虫 ヘイケボタル幼虫
Q: ゲンジボタル、ヘイケボタルとヒメボタルのおすとめすは、どこで見分けるのですか?
A: 幼虫では区別できませんが、成虫では、おなかにある発光器の数で区別できます。めすは、5節目が、おすは5節目と6節目が光ります。
ゲンジボタル腹面 (左: おす、 右: めす) おす (左: ゲンジボタル、 右: ヘイケボタル)
Q: ホタルはなぜ光るのですか?
A: おすとめすが出会って、次の世代に命をつなぐためです。
Q: ホタルの光はあつくないというのはほんとうですか?
A: ほんとうです。
Q: ホタルの光で本は読めますか?
A: 1匹では無理ですが、数匹集めれば読めます。
Q: たまごも光るというのはほんとうですか?
A: ほんとうです。卵が手に入れば、部屋を真っ暗にして、観察してみたらいかがでしょうか。
Q: 歌にあるように、ホタルの成虫は甘い水が好きですか?
A: ホタルに味がわかるかどうか、わかりません。砂糖水をのむと少し長生きするという人もいます。
Q: ホタルのなかまの成虫は、全部飛べるのですか?
A: おすは飛べますが、めすの成虫が飛べない種類もあります。陸生のヒメボタルやマドボタル類は、後ばねが退化していて飛べません。また、イリオモテボタルやクシヒゲボタルなどのめすは、成熟しても、幼虫のような形をしているので、飛べません。
Q: ゲンジボタルの幼虫のえさは、カワニナですが、ヘイケボタルもそうですか?
A: ヘイケボタルは、えさの貝の種類を選ばないようです。ヘイケボタルは、一般に、小川や水田などの流れのゆるやかなところにすんでいて、そこに多くいるモノアラガイ、サカマキガイやタニシのなかまを主に食べているようです。ゲンジボタルといっしょにすんでいるところもありますので、カワニナも食べていると思います。えさが少ないところでは、オタマジャクシやミミズのなかまなどを食べているところもあるようです。
Q: ゲンジボタル幼虫の食べるエサは、カワニナだけですか?
A: カワニナだけで十分に人工飼育できますが、中国地方や九州地方におけるゲンジボタル成虫の自然発生量の多さとカワニナの生息密度の低さを考慮すると、自然界では、カワニナだけでなく、他の貝類のみならず、水中にすむ複数種の生物を食べている可能性があります。九州地方では、ミミズ類で人工飼育した例もあるそうです。
Q: ホタル護岸は有効ですか?
A: ホタル護岸は、有効な場合と無効な場合があるようです。ホタル護岸が有効かどうかは、ホタル類が生息可能な、多くの環境条件が護岸以外にそろっている場合に、検証できることなので、判断がつかないことが多いようです。なお、北九州の小熊野川(川幅数m)では、初期のホタル護岸と最近のホタル護岸が両岸に施工してありますが、実際にゲンジボタル成虫が飛翔しているものの、どちらの護岸が有効であるかについては判断できません。
Q: ホタルの映像を取り込んだカレンダーを作りたいがどうすればいいでしょうか?
A: 大型の紙に印刷する必要があるので、個人では難しいようです。専門の印刷業者に相談すればいいと思います。実際に、ホタルカレンダーを作成している愛知ホタルの会の会員もいますので、そちらに相談してみるといいでしょう。
Q: ヒメボタル幼虫を飼育したいのですが、飛び回っているのは雄ばかりで、雌の成虫が手に入りません。どうすればいいでしょうか?
A: ヒメボタルの雌成虫は、ゲンジやヘイケと違い、成虫羽化の初期に多いとの報告があります。また、雌成虫の寿命は3日ほどしかなく、さらに、下翅を持っておらず飛べないこともあって見つけにくいようです。少し早い時期に探すといいのかもしれません。
Q: カワニナのおすとめすはどこで区別できますか?
A: 殻をみただけでは区別できません。殻の先端部にある精巣(クリーム〜うすい黄色)や卵巣(うすい青から赤紫色までさまざま)が成熟していれば区別することもできますが、殻をこわしてみなければわかりません。
Q: カワニナは卵をうみますか?
A: 卵ではなく、小さな仔貝をうみます。卵はめすのおなかの中でふ化して、ある程度大きくなってからうまれます。
Q: カワニナの稚貝を分離するいい方法を教えてください。
A: 北九州市ほたる館では、通気した水槽に、野外からとってきたカワニナの親貝を目の粗い洗濯用ネットに入れ、その外側に目の細かい洗濯用ネットでくるみ、産み出されたカワニナの稚貝を外側のネットから回収しています。この方法は、洗濯用ネットを用いなくても、目合の違うザルを組み合わせてもできます。工夫してみてください。なお、北九州のホタル館では、カワニナ親貝は、何回か稚貝を取った後に、元の場所に再放流しています。
Q: カワニナの寄生虫は人にも寄生しますか?
A: それはまちがいです。カワニナの体のなかにいる寄生虫は、魚やサワガニなどの甲殻類などの生き物にもう一度寄生してからでないと、人間や哺乳類に寄生することはありません。