理事長挨拶

 
 公益財団法人大幸財団の成り立ちと事業


                                理事長 松下裕秀
 大幸財団は、昭和55(1980)年9月に愛知学芸大学(現在の愛知教育大学の前身名)名古屋施設整備後援会(衆議院議員 丹羽兵助会長、故人)から土地その他の財産を継承し、それらを基本財産として、愛知県教育委員会の認可を経て設立されました。初代理事長には丹羽兵助氏が就任しました。
 大幸財団が実施している14種の事業については、事業内容の項で詳しく紹介されていますのでそちらをご覧いただきたく存じますが、次の5つの事業に大別されます。

 1. 育英学芸事業
 2. 留学生助成事業
 3. 教育・学術・文化振興助成事業
 4. 国際学術交流助成事業
 5. 学術・文化講演会等開催事業

 このうち1~4の事業は、主に愛知県内の高等専門学校・高等学校・大学等に所属する生徒、学生、大学院生並びに研究者を助成対象としています。また、初等教育や中等教育現場での意欲的な教育振興活動や愛知県内にある文化団体等も助成対象としています。大幸財団からのこれらの助成を希望される皆様には、助成申込要領を十分ご検討のうえ、積極的に応募されることを期待しています。
 また上記事業の 5 は一般市民を対象とする学術・文化講演会で、いろいろな分野での研究・活動実績を持つ専門家を講師として招いて開催します。
 私事で恐縮ですが、私自身はいわゆる昭和の高度成長期に学生時代を送りました。当時は日本全体に元気はあったものの決して経済的に豊かではなく、私も日本育英会(現 独立行政法人 日本学生支援機構)の奨学金の援助を得て学業を全うすることができました。そして研究費の確保が困難であった駆け出し研究者の頃、幸いにも大幸財団初期の研究助成事業で支援を受け、独立研究者に向けて強い推進力を頂いた経験を持ちます。
 その後のわが国は、ご存じの通り世間から羨ましく思われるほどの経済発展を遂げて世界有数の経済大国を経験した後、グローバル環境の中で経済的な国際地位を下げ続けています。この経済状況変遷の中で、多くの研究者にとって研究費の確保は切実な課題であり続けていますし、生徒・学生の中には奨学金を必要とする人も多数おられると認識しています。
 このような背景から、当財団からの各種助成の必要性・重要性は変わることがないと信じています。今後も、社会をとりまく諸情勢の変化に対応して事業改善を常に意識下に入れ、本財団の公益事業を更に発展させていきたいと考えています。

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