いぐさと畳表(いぐさ産地をたずねて)
いぐさと畳表(いぐさ産地をたずねて)
 平成17年9月、いぐさの産地・九州は熊本県八代市へ今年も尋ねてきました。

 先回は、いぐさの刈り入れ時期にお邪魔しましたが、今回は時期をずらして新草での畳表の生産が始まる9月です。今回のいちばんのトピックスは、畳表を織るための苦労を(ほんの少しですが)体験できたことでした。

 畳表1枚を織り上げることは大変な作業です。また、どうしたら気に入ってもらえる畳表ができるか、試行錯誤を繰り返している多くの方とお会いすることが出来ました。その労力を考えると「極端な安売り商品」は、どんな商品なんだろうと改めて考えさせられてしまいます。農家さんも一枚一枚を丁寧に作り上げています。私たち畳店は、きちんとした技術でこの製品をお客様にお届けしたいと改めて感じることができました。

 最後に、今回もこの見学にあたり、忙しい時間を割いて見学にご協力いただきました農家の皆様や関連の方々に対し、この場をお借りして、厚くお礼申し上げます。
ここは、畳表が集まる場所
       「い表集荷所」です

 
 こんにちは、畳の落合商店、3代目の落合伸彦です。
今回は、こんなところに行ってきました。

 ここは、農家さんで作られた畳表が集まり、問屋さんと取り引きされる場所です。通常、畳屋さんは入れませんが、今回は「入札日」ではなかったため、特別に見せていただくことができました。
 
 続々と畳表が集まってきます。上級品から普及品まで各種あります。そのまま持って帰りたい畳表も・・・・。
畳表を作るために。
  いぐさの選別<その1>

 
 上部写真のような畳表に仕上がるためには、こんな工程があります。。。

 畳表にするための、いぐさの選別です。

 この写真は、穂先が茶色かったり、おかしなものを取り除く工程です。目はチラチラするわ、見つけても、悪いものをうまく抜き出せないわ、結構大変です。

 この後、ひっくり返して根元側から同様に悪い物を選別します。
畳表を作るために。
  「加湿(かし)

 この工程は、畳表を織り上げるために湿気を与える工程です。

 いぐさは、刈取り後乾燥させますが、そのまま織機にかけると、いぐさが折れてしまいます。畳表に仕上げた時に、折れたいぐさが混じらないようにするためにも、大切な工程です。

・・・・右となりで、きびしく?指導をしていただいたのが、八代農家さんの岡さんです。 こちらでは、泥染めをしていない特殊な畳表を作られています。(私のところでも取り扱っています。)
畳表を作るために
  いぐさの選別<その2>


 最後に、折れたいぐさが混じっていないかチェックです。意外と、フワッと広げるのが難しいです。

 これらの工程をきびしくすればするほど、良い表はできますが、選別に時間を要し、作れる枚数も少なくなります。



 こんな作業をしていますので、畳表は、一台の機械で1日8〜10枚程度しかできないそうです。高級な表は、いぐさの打ち込みも増えますので、もっと少ない枚数しか出来ません。
 ・・・・機械の速度を上げる?畳表がきれいに織り上がらなくなるそうです。。。。
「・・・・記念写真」

 今回も、沢山のいぐさ農家さんや卸し商さんに、大変お世話になりました。本当にありがとうございました。

 みなさん、それぞれに工夫され、よりよい畳表づくりに一生懸命でした。同じようでも、織機にオリジナルな加工をされていたりします。
 今後も、農家さんと交流を持たせていただきながら、よりよい畳づくりをしていきたいと考えています。