手足口病
アトピー性皮膚炎
三日ばしか(風疹)
インフルエンザ
突発性発疹症
おたふくかぜ(ムンプス)
ヘルペス性歯肉口内炎
みずぼうそう(水痘)
熱性けいれん
溶連菌感染症
はしか(麻疹
発熱
おねしょ(夜尿症)
子供の病気について
発熱
発熱は、病気にかかった時の生体の反応です。そう考えると、熱を下げた方がいいのか議論もありますが、極端な動物実験を除けば、熱を下げて病気が治りにくくなることはありません。発熱でえらそうにしている時は解熱剤を使用し、体を冷やして体温を下げ、体力温存を図るのも対処法です。ただ、解熱剤は病気を治す薬ではありませんので、元気が無かったり、続く時は必ず受診を。またこどもに使用できる解熱剤は限定がありますので注意を。青ざめて悪寒が来ているような時(熱の上がる前の数十分)は暖めて様子をみてください。高熱になったら布団で包んだりせず、涼しくしましょう。熱がある時の通常のお風呂(日本人は高温・長湯)は、やめましょう。「高い熱が続くと脳みそがやられる」と信じている人がいますが、そんなことはありません。脳が侵される重症な病気が続いたからやられたのだと思います。ついでに、熱の高さと病気の重症度はあまり一致しません。


熱性けいれん
乳幼児の発熱に伴っておこる発作のような状態で、原因となる他の病気のないものをいいます。目の当たりにすると、尋常ではない我が子の様子に非常に不安にさせられますが、終ってしまえば普通にもどるか、眠ってしまい、何回おこしたから知能がどう下がるということもなく、大きくなると自然におこさなくなる、心配のない疾患です。また、欧米にくらべて日本人では頻度が6〜10%と高く、めずらしいことではなく、遺伝素因があり、親や兄弟がおこしたことがあればおこす確率は高くなります。1回おこした子で、2回目をおこす確率は大まかに3人に一人です。典型的なのは、生後半年から5歳ぐらいのこどもが、タイミングとしては熱の出始めに、だいたい5分以内に終了するけいれんをおこし、おこし方は左右対称、終ればすぐ意識はもとに戻り、けいれんの前後で気になるような症状(頭痛、嘔吐、意識が変等)がない・・・といった感じです。問題なのは、けいれんが別の病気(髄膜炎や脳炎など)からおこっている場合で、前述の典型例にどこかあてはまらなかったり、御心配なら受診してください。受診の際、けいれん時の様子をよく教えていただけると、より確実に診断できます。熱性けいれんの8割以上は発熱後24時間以内におきるので、おこしやすい子には御家庭でも安全に使えるけいれん予防薬を、熱の上がり始めから24時間くらいは効くように処方します。インフルエンザや突発性発疹症、はしかなどは、熱が急に上がりやすいということからだけでなく、熱性けいれんをおこしやすい疾患です。熱性けいれんのあるお子さんはむしろ積極的に予防接種をうけたほうがよいと思います。


突発性発疹症
生後4ヶ月から1歳くらいの子が急に高いお熱を出し、3〜4日熱が続きます。不機嫌だったり、下痢気味になることがよくありますが、高いお熱のわりに元気があり、母乳やミルクが飲めなくなってしまうことはありません。解熱した日かその次の日に、急に顔や体を中心に、うすい赤い発疹が出てきますが、2・3日で消えていきます。HHV-6、HHV-7という2種類のウイルスが原因として明らかにされています。


手足口病
コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなどに感染して発症する夏カゼの一種です。幼児がよくかかりますが、時に大人の発症もあります。感染後2-5日して、平たい5mmくらいまでの、まわりが少し赤い小水疱が手のひらと足の裏にできます。また、おしりや膝、肘にできることもあります。口の中にも小さな疹ができ、これはしばしば痛みを伴い、ご飯が食べれなくなってしまう子もいます。発熱を伴うこともありますが、すぐ下がり、発疹も1週間以内で治ってきて特に問題なく治ることの多い病気です。治療は、手足の疹については刺激を避けて様子をみるだけ、お口の中の疹については、しみないような食べ物や飲み方を工夫してあげます。水分がとれずに点滴が必要になったり、ごくまれに髄膜炎などの合併もありますから、あまり元気がないときは受診しましょう。発症時の隔離は流行の阻止には有効とはいえません。


ヘルパンギーナ
これもコクサッキーやエコーウイルスによる夏カゼの一種です。突然3日間くらいの発熱があり、口内疹が奥のほうにでき、のどの痛みで食事が摂れなくなることがあります。手足口病と同様、しみないような食べ物、飲み方を工夫します。


プール熱(咽頭結膜熱)
アデノウイルスによる夏カゼです。約5日間続く高熱と、のどが赤く、目やにが出て目が赤くなるのが特徴で、時々首のリンパ腺も腫れることがあります。腹痛や下痢を伴うこともあります。塩素消毒の不完全なプールで流行ったことがあるので、プール熱と呼ばれています。今はアデノウイルス診断キットがあり、迅速診断ができます。ただ、特別な治療薬はありませんので、安静にして対症療法をします。患者さんと同じタオルを使わないようにして、洗濯後は日光消毒をしましょう。症状がなくなって2日するまで学校には行けません。


はしか(麻疹)
10日から12日の潜伏期間の後、咳と熱の症状とともに目が赤い、めやに、鼻水などの症状がでてきます。(鼻水や目やにで、なんだかお顔がぐちゃぐちゃといった感じです。)この頃受診すると、はしかに特徴的なコプリック班という口内疹がみつかり、発疹の前でも診断がつけられることがあります。熱型は2峰性で、2峰目の頃に全身に発疹が出現し、ますます元気がなくなっていきます。約1週間の発熱の後、熱や症状の軽快とともに発疹は茶色くなり(色素沈着)、退色し、次第に消失します。経過中に呼吸苦があったり、食べれない飲めないが続いたり、色素沈着の頃にも高熱が続いていたりする時は要注意です。はしかは、昔は「命定めの病気」と言われたそうで、かかると重篤感のある病気で、現代でも死亡例の報告があります。肺炎、脳炎、中耳炎、仮性クループ症候群、失明など合併症も多い病気で、かからないに越したことはありません。また、他の人にうつすことにもならないように予防接種をしましょう。感染力も非常に強く、麻疹ウイルスがエアロゾル化した水滴の中で2時間感染可能な状態だったという報告もあります。どんな健康な人でも、既往もなく予防接種もしていないければ、咳をしている患者さんのそばでしばらく過ごすと、まず感染します。また、そのような状況にあったときはご相談ください。登校は解熱後3日経過するまでできません。

みずぼうそう(水痘)
潜伏期間はだいたい2週間で、通常、首のまわりや胸、肩に出た発疹で気づかれます。最初は虫刺され様の赤い疹ですが、数が増えると伴に周りに赤みを伴った水疱となり、通常5から7日でかさぶた状になって治ります。発疹はかゆみを伴い、頭にもできるのが特徴です。発熱は発病初期が多く、1から3日くらいです。汚れたつめで掻いて2次感染を起こして跡を残す深い傷にならないように、かゆみ止めをつけたり内服したりします。また、発病後早期なら水痘ウイルスの増殖を抑える内服薬も病気の経過を軽くするのに有効です。すべての疹がかさぶた状になるまで登園・登校はできません。新生児、乳児の場合は、月齢やお母さんの既往によって症状の出方に違いがあり、説明がややこしくなります。受診された時に個別にご説明します。

おたふくかぜ(ムンプス)
潜伏期間はだいたい2〜3週間で、頬やあごのあたりにある耳下腺・顎下腺という唾をつくっているところが腫れてきます。発熱、頭痛を伴って発症することもあります。両側が同時に腫れることが多いですが、片方がはれて1〜2日たってから反対側が腫れることもあり、また片側だけで終ってしまうこともあります。腫れは3〜7日でひいてくることがほとんどです。腫れたところは冷やして安静にし、酸っぱい食べものは避けます。不顕性感染(症状がないのにかかっていること)が多いのも特徴です。また、同じところが腫れる症状で、反復性耳下腺炎、化膿性耳下腺炎、リンパ節炎など、おたふくではない別の病気もありますから医者としては意外に診断に気をつかう病気です。合併症として髄膜炎、膵炎、睾丸炎、難聴などがあります。腫れがひくまでは登校できません。



風疹(三日はしか)
麻疹(はしか)のほうがずっと重症感がありますが、三日はしかとも呼ばれます。感染している人のくしゃみや咳のしぶきなどから感染します。潜伏期間はだいたい2週間で、熱や発疹が出る期間は約3日です。発熱と共に小さな薄赤い発疹が顔・体・手足に出ます。発疹は出ている間それぞれが融合せず(細かいままで)、そのままあとを残さずに消失します。熱や発疹の出る前から首のリンパ節が腫れ、しばらく腫れていることがあります。まれに関節炎や脳炎をおこしてくることがあります。ただし、感染しても発病しない人もいます。妊娠初期の妊婦さんがかかるとおなかの赤ちゃんが先天性風疹症候群(目・耳・心臓・脳などに障害がでる病気)にかかる確率が高くなります。これから生まれてくる多くの赤ちゃんを守るためにも、風疹もぜひ予防注射で予防しておきたい病気です。発熱・発疹がひいたら登校できます。
                                                         


溶連菌感染症

てんかん

てんかんは突然の、大脳の神経細胞群の過剰な興奮による症状を繰り返す病気です。てんかん発作は、全身を硬くして震わせるものから、意識だけがボーッとするもの、眼球偏位のみがみられるもの、瞬間的に体をピクンとするもの、など多様な症状があります。てんかんの頻度は1000人に約8人と、日本でおよそ100万人の患者さんがいるといわれています。そのうちの約7割が小児期に発症しています。てんかんは、てんかん発作の型によって治療薬が変わってくるため、発作の型をしっかりと診断することが重要です。発作症状を中心に脳波所見を参考にして診断をします。
 発作症状がてんかんの診断に最も重要です。どのような時に、どのような症状があったかを十分に観察し記録することが大切です。1日に何度も発作が認められる場合、発作が起きた時に撮影したビデオテープ等を持参して受診していただくと、医師の診断の助けになることが多々あります。
 脳波もてんかんの診断に大切な検査です。検査では覚醒時(起きている時)と、うとうととして眠りに入るところと、浅い睡眠までの記録が重要です。覚醒だけの記録、睡眠だけの記録ではてんかん性発作波が見逃される可能性が高くなります。

 原因としては先天性異常、脳出血・梗塞、髄膜炎、新生児仮死、早産児の脳室周囲白質軟化症、急性脳症の後遺症などが挙げられますが、実際には原因不明の例が多く認められます。てんかんの治療は基本的に発作型によりますが、原因によって治りやすさが異なります。
 

どのようなタイプのてんかん発作なのかによって治療が変わってきます。一般には薬による治療が行われます。
 てんかんの治療薬を抗てんかん薬といいます。よく使われる抗てんかん薬としては、バルプロ酸(商品名:デパケン、セレニカなど)、カルバマゼピン(テグレトールなど)、ゾニサミド(エクセグラン)、フェニトイン(アレビアチン、フェニトインなど)、フェノバルビタール(フェノバール、ワコビタールなど)、クロナゼパム(リボトリールなど)、クロバザム(マイスタン)、ニトラゼパム(ベンザリンなど)が挙げられます。
 てんかんの発作症状によって、これらの抗てんかん薬を使い分けます。これらの抗てんかん薬で効果のない場合、てんかん外科手術を行うことがあります。

どんな薬でも必ず副作用の可能性があります。抗てんかん薬は長く内服が必要なことが多く、より安全に治療を続けることが重要です。注意が必要な副作用は以下の通りです。
バルプロ酸   眠気、血小板減少、肝障害(高アンモニア血症)、食欲亢進、肥満、生理不順
カルバマゼピン  眠気、血球成分の減少、電解質異常、肝障害、発疹

ゾニサミド  眠気、ボーっとする、尿路結石、発汗減少
フェニトイン  歯肉の腫れ、多毛、肝障害、ふらふらする(濃度上昇で)
フェノバルビタール  眠気、多動、肝障害、発疹
クロナゼパム、クロバザム、ニトラゼパム  眠気、多動、よだれの増加
 ここに記載したもの以外にも多くの種類の副作用が報告されています。しかし、大多数の患者さんでは副作用のために薬を中止しなければならないことはありません。必要以上に副作用を恐れることはありません。
 抗てんかん薬の中止の基準は
の条件を満たす場合と考えています。
 @最終発作から2年以上経過していること、
 A2年以上脳波でてんかん性発作波を認めない   

 一般的にはこの条件で抗てんかん薬を中止すると、再発率は5〜10%と考えられます。
 しかし、再発率はてんかんのタイプや、てんかんを起こすもとの病気によって変わることがあり、個々の患者さんで判断が必要です。
 発作はおさまっているのに、脳波で発作波が何年間も持続して認められる場合は、患者さんに応じて判断をする場合があります。
  また、良性のてんかんと診断した場合には、上記の基準よりも早く抗てんかん薬を中止することもあります。全体的には小児期に症状が出たてんかんでは、約80%が高校生ぐらいまでに抗てんかん薬をやめることができます。



インフルエンザ
 人で流行するインフルエンザにはA型とB型があり、それぞれ冬場を中心に流行します。
いわゆる咳・鼻水などの風邪症状で始まりますが、ぐったりと元気のないことが多く、高熱が続くことが特徴です。年長児では、頭痛・筋肉痛・関節痛を訴えることがしばしばあります。潜伏期間は1〜5日(平均2〜3日)、合併症は中耳炎・肺炎・熱性痙攣などで、まれに脳症などの重篤な合併症をおこします。
最近は迅速診断法で、鼻汁中のインフルエンザウイルスを調べて診断ができます。30分以内に判定できますが、発熱後12〜24時間以上経過していないと偽陰性(本当はかかっているのに反応が出ず、陰性の判定となる)の確率が高くなります。流行期には問診や症状から診断をすることもあります。
治療には、インフルエンザウイルスの増殖を抑える薬として、リン酸オセルタミビル(タミフル)やザナミビル(リレンザ)などの薬があります。発熱後2日以内に服用すれば症状を軽くし、罹病期間の短縮が期待できます。これまで日本でインフルエンザ患者の異常行動や死亡例においてタミフルとの関連が報道されていますが、その因果関係は現在検討中となっています。異常行動や死亡に至る合併症はインフルエンザ罹患だけでも起こりうるからです。ただ、全体に日本人はタミフルを使いすぎといわれています(タミフル内服者数は国内でのべ2400万人以上・全世界のタミフル消費の70%以上が日本)。症状を軽くするだけのお薬ですので、症状に応じて使用しないで自力で治す選択もあると思います。他に薬については、アセトアミノフェン(アンヒバ・カロナールなど)がインフルエンザのときに安全に使える解熱剤です。
予防はワクチンが最も重要ですが、効果は完全なものではなく、接種していてもかかってしまうことがあります。解熱して2日するまで学校には行けません。

おねしょ(夜尿症)
おねしょについても、当院では力をいれて診療しています。6歳以上の児を対象に、問題となる隠れた病気がなければ、いわゆる「おねしょ」の治療を行います。7歳越えてからのおねしょは、治るまでに少しお付き合いが必要ですが、必ず治るものですからあせりは禁物です。やはり基本は「怒らず・あせらず・起こさず」です。しかし、、自然治癒を待つより、適切な治療や指導をしたほうが、3年後の治癒率に2−3倍の違いが出ますので、6-7歳を越えて週4日以上の夜尿がある方や、おねしょがストレスになっている方には受診をすすめます。受診されると、その子のおねしょのタイプや生活習慣を検討した後、生活指導・内服や点鼻などの薬物療法・アラーム療法などの指導をしていきます。おねしょの治療はいろいろありますので、それぞれの療法の治癒率・利点・欠点をお話して、より適切な治療を選択したうえで、オーダーメードな指導をしたいと思います。先生達といっしょにおねしょを治しましょう。


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