薬の形と使い方2
貼付型心臓病薬の使い方
貼付型心臓病薬とは
貼付することで、薬剤が皮膚からゆっくりと吸収され、長時間にわたって安定した効果が維持される薬剤です。
この薬は発作の予防や治療に用いるもので、いま起こっている発作を速やかに寛解させる薬では無いことに注意して下さい。
内服薬に比べて利点は?
一般的には、内服薬に比べ体内に吸収されてから最初の段階で肝臓で分解される割合が少ないため、より有効な場合があります。
内服薬で胃腸を悪くし易い人であっても、貼付型であれば胃粘膜への直接刺激による胃腸障害は起こしません。また食事の影響を受けません。
内服薬とは異なり、皮膚から剥がすことによって薬物投与中止が可能です。
正しい使用法
医師の指示に従って使用して下さい。
傷や湿疹・皮膚炎のある場所、胸毛の部分には貼らないで下さい。
胸・腰・上腕などのいずれか一カ所に貼って使用します。
あらかじめ貼る場所の水分や汗をよく拭き取ってください。
皮膚への刺激を避けるため、新しい薬に貼り替える時は、前回と同じ場所を避けて下さい。
包装を切るときは手で破って下さい。(はさみは使用しないで下さい。)
貼るときは、指で部分的に押さえるのでは無く、手のひらで全体を均等に押さえて下さい。
入浴するときは?
症状によっては、先生から貼ったままでの入浴を指導される場合もあります。
製剤によっては入浴に適していないものもありますので、指導を受けていないのであれば、入浴前に剥がし、入浴後新しいものに貼り替える方がよいでしょう。
一度、主治医の先生にご相談下さい。
途中で剥がれてしまったら
製剤によって、張り直しが可能であるものと、張り直しがきかないものがあります。
主治医の先生または薬剤師におたずね下さい。
正しい保管方法
高温を避けて遮光して幼小児の手の届かないところに保存します。
また、開封後は速やかに使用して下さい。
携帯時は、折り曲げないようにして下さい。
使用後の破棄は幼小児の手の届かぬ所に
使用後も薬の成分が残っていることがあります。
保管時と同様、幼小児の手の届かないところに捨てて下さい。
使用する場合の注意点
医師の指示なしに勝手に投与を中止しないで下さい。症状の悪化する例もあります。
投与開始時、血管拡張作用による頭痛等の副作用が起こる事があります。このため注意力、集中カ、反射運動能力の低下が起こることもありますので、自動車の運転等に注意して下さい。
過度の血圧低下が起こった場合、本剤を剥がして横になり足を上げて速やかに医師に連絡して下さい。
また、同じ理由で、立ち上がったときにめまい・吐き気などの起立性低血圧の症状が起きることがあるので注意して下さい。
飲酒により血管拡張作用が強まり、過度の血圧低下を起こすことがありますので注意して下さい。