美奈子のつぶやき
〜 あとがきと解説 〜
第五部 決着
79
いよいよ最終コーナーです。
現れた人物を生徒と決め付けて考えていたわけですが・・・
自分を助けてくれた者が散っているショックは大きいでしょう。
それでも素晴らしい形見を受け取りました。
自分で使えそうにないのが悩ましいところです。
そして現れた救世主。
桃香の存在に不安を感じながらも、理香の胸は希望で膨らみます。
80
膨らんだ希望を破壊する人物の登場。
説得も通じず、戦いに流れ込みます。
美香は本当に強く勝利を得ることが出来たのですが、やはり自分の生徒の命を奪う気にはなれないようです。
そして一瞬の隙を突かれてしまいました。
放心状態で逃げられない理香と五十鈴。
最早これまででしょうか。
お話はクライマックスへと突入します。
81
策を弄して美香を葬った篤ですが、桃香を激怒させる結果となってしまいました。
本来は桃香よりも少しだけ強い篤なのですが、コンディションの差が運命を分けます。
苦しくなった篤は理香たちに銃口を向けるという下策に・・・
最後は桃香の策に嵌ってしまいます。
そして桃香も負傷。
余裕をなくした桃香は早々に理香たちを倒すことにしたようです。
桃香を説得するつもりだったのが、一転して大ピンチです。
なお、麻衣の支給品が伏せてあった理由はご理解いただけたと思います。
82
尊敬する美香の死が現実のものとなり、ショックを受ける担当官美和。
煩悶の末、やるだけのことをやろうと決めたようです。
決意の決め手となったのがマニュアルの紛失。
美和はあずかり知らぬことですが、綾の行為がここでもプラスに作用しています。
また、ただ1人視点の回を得られず出発前に散った鵜飼翔二。
支給されなかったデイパックを通して存在感をみせようとしています。
なお、途中で81話と入れ替えたために不自然な箇所があるかもしれません(汗)
83
桃香が前作の坂持美咲のような立場だったら、美咲同様に翻意したかもしれません。
既に重傷を負っていますので生還できたかどうかは別問題ですが。
しかし、桃香の立場ではどうにもなりません。
戦死覚悟で戦ってもあしらわれてしまい、やむなく自ら命を絶ちました。
最後のセリフは旧日本兵のパクリですけど、実際に多くの日本兵が最後に叫んだ言葉は「お母ちゃん・・・」だったと聞いたことがあります。
器用な雅樹と合流して無事に首輪の解除に成功。
偽装優勝者となった雅樹に続いて本部に向かいますが・・・
84
行動を起こす前に優勝が決まってしまいほぞを噛む担当官の美和。
それでも一度した決意を翻すつもりはありません。
プログラム終了に浮かれている兵士たちの隙を突いたのですが・・・
印藤の推理力のおかげで、自分の行為が無駄ではなかったことを知ったのがせめてもの救いでしょうか。
本来は自分のミスであるわけですが(笑)
天国では再び美香と仲良く暮らせることでしょう。
ちなみに、青酸ソーダとはシアン化ナトリウムのことです。
大団円
一応優勝者である雅樹が本部に戻っても、兵士の姿はなく印藤の声が響くのみ。
理香でなくとも異変を感じたことでしょう。
そして異変であれば、雅樹が普通に優勝者として扱ってもらえない危険があります。
理香は命がけで本部に突入します。
その結果、何とか雅樹ともども生還となりました。
もし本部に異変がなければ、理香たちは恐らく何も出来ずに船で逃走することになったでしょう。
後日譚
殆ど蛇足なのですが、前作との絡みで必要な一話です。
結局理香たちは亡命するまでもなく革命の日を迎えることとなりました。
もう何日か革命が早ければ、理香たちはプログラム参加を免れたことになりますので、ある意味ではとても無念な結果です。
特に奈緒美の件は、理香には応えたと思われます。
新しい国家が2人の決意どおりになると良いですね。