美奈子のひとりごと
〜 あとがきと解説 〜


第一部 試合開始

はじめに

まずは美奈子の拙作をお読みいただいたことに、深く感謝いたします。
この作品は、YAN会長のBR2をはじめとする多くのオリジナルバトロワを読んでいるうちに、何となく書いてみたくなったのが始まりでした。

実は美奈子は、奈良公園が大好きです。緑の中をのんびり歩いている鹿たちを見ていると心が癒されるんですね。
そこで、最初のシーンに使いました。
鹿せんべいを丸ごと咥えられてしまったのは美奈子の実話です。

教育実習生が修学旅行に同伴するのは不自然ですが、担任=担当官の発想があったため、生贄として登場させました。
また、いくつかの伏線が張ってあります。

引き続いてのクラスメートの紹介と、担任に不審感を抱く奈津美を描写しました。
修学旅行の間くらい、こんな担任のことは忘れていたいものですよね。
精神衛生上は、奈津紀の方が健康的かも知れません。

拉致シーンです。
主人公がなかなか眠らない不自然さは大抵のバトロワ小説に共通してますが、演出上やむをえないでしょうね。
勇一は、この段階で既にプログラムであることを悟っているのです。
どうして、彼がプログラムに詳しいかは後に示されます。

また、多くのバトロワ小説では拉致に催眠ガスを使いますので、美奈子は独創性を持たせるために睡眠薬を使いました。
ガスと比べて即効性がないうえに、効き目の個人差が強く、嘔吐などの危険もあり現実的ではないのですけれど。

それにはもう一つ、理由があります。全てのキャラが、美奈子が創りだした可愛い子ですが、その大半は生還できない運命です。
せめてもの償いにご馳走でも食べさせてあげようと思ったのです。
ちなみに「最後の晩餐」のイメージが隠れています。

覚醒シーンです。
体育館を選んだのは、仲間と話せるようにした配慮です。映画の影響もありますね。
プログラムの世界では、事前に仲間と話せるのが有利とは限りません。
ますます、疑心暗鬼になる可能性もあるでしょう。
ここにも、後にキーとなるキャラが紹介されています。

お約束の生贄登場です。
さらに、その場で逆らって自滅するものがいるのも定番ですね。
よくあるのは、原作の元渕君の様に自分勝手な理屈を述べる者ですが、ここでは父の立場を利用してクラス全員を助けさせようとするキャラを作ってみました。

ルール説明です。
独創性を出しにくいところですが、担当官にやたらと生徒たちを挑発させてみました。
あと、出発順もその場での抽選にしました。
もちろん結果は、演出上最初から決まってますけどね。


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