美奈子のひとりごと
〜 あとがきと解説 〜


第二部 序盤戦

18話の伏線がメインになってます。
しかし広幸は、既にゲームに乗っているものがいるという誤解をクラスメートに与える役も演じています。

早い段階で一同に銃声を聞かせるためのストーリーです。
体育館の構造と外の風景の紹介も兼ねています。
奈津美の出発の時には、紹介する余裕がありませんから。
ちなみに、弱い人間に銃を与えると危ないですね。

坂持美咲の正体は、説明するまでもなく原作の坂持担当官の娘です。
彼女の年齢調整のために2004年プログラムになってます。
詳しくは後に出てきます。
ゲームに乗ることを拒否する態度に見えますが、どうなりますやら。

外の銃声で生徒たちの動揺がエスカレートします。
奈津美にも切迫した恐怖感が訪れます。

10

奈津美にプログラムの厳しさを思い知らせるためのストーリー。
奈津紀がこの段階で消えることは意外だったかも知れませんが、これが奈津紀の役割だとご理解下さい。
勿論、冒頭部での盛り上げ役も演じてもらっています。

11

桐山君が政府と戦う方を選んだら・・・
というのが、元の発想です。
ただ、桐山君があそこから逆襲しようとしても、既に分校は禁止エリア。
結局は、三村君と同じようなことをする結果になったでしょう。
そこで禁止エリアになる前の襲撃なのですが、伸也には桐山君ほどの頭脳はなかったようです。
川渕が控え室に入る前に飛び出せば、チャンスがあったかも知れませんが。

12

生理痛は本当に辛いです。
生理の1週間前から体調の悪くなる子もいます。
そういう子を狙って薬局に隠れると言うのは賢いと言うのか悪質と言うのか・・・
とにかく、ダーティーヒロインの誕生です。

13

桐山君は感情欠落人間ですが、少し違うタイプの殺人鬼を用意してみました。
内面に巣食う魔獣の覚醒。
1話にある「表情が乏しい」というのが、精神的問題を暗示する伏線です。

14

プログラム中に告白するのは、無論杉村君の真似ですが、猛は告白することなく散ってしまいました。
恋人になりたい猛と、友人のままでいたい奈津美。
現実にもありそうなパターンです。
しかし告白できていても、結果は玉砕だったでしょうね。

15

プライドの高いお嬢様の身勝手な発想。
でも、意識の無い状態で兵士に運ばれたら、本当に何かされているかも知れませんものね。

本人が自覚していなかった強い闘争心。
クラスメートに向けられた矛先。
でも、戦闘力が高いわけではありませんから、どう立ち回るのでしょう。

16

ストーリー的には奈津美と勇一が再会するだけですが、奈津美の成長を示しています。
モデルガンだったことは、10話の段階では知らなかった事が幸いしたでしょうね。
主人公に最初から強力な武器を与えたくなかったのも事実です。

夏の大三角形が出てきたのは偶然の産物です。
5月下旬の午前3時ごろの星座を天文年鑑を見ながら考えていたら、丁度ベガやアルタイルが南中しているのです。

17

人間の弱さがモロに出たストーリー。
優柔不断な上に、結局は最悪の選択をしてしまいます。
美咲に声を掛けて仲間になれば、チャンスはあったかもしれません。
でも、現実にプログラムを施行したら、こんな状況になる人が多いのではないでしょうか。

18

今回、バトロワ小説の執筆に取り掛かる勇気をくれた発想の1つです。
美奈子が現在までに見た中では、他のバトロワ小説には使われていないネタです。
従って、序盤戦の最後に持って来ました。
話しかけられたことによって、ネタをばらしてしまい、盗聴していた政府に妨害されると言う点は、原作そのものですけどね。
広幸が「殺すぞ」と言って、奈々を追い払っていれば、ひょっとしたら成功したかもしれません。


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