杉琴。の戯言
〜 あとがきと解説 〜
開幕編
第4話〜迷走の章・2『旅路』
今回から生徒たちの名前が登場し始めます。その端緒となるのは「迷走の章」主人公の悠斗。
今回はひとまず拉致前の生徒たちの顔見せといった感じです。なるべく悠斗の友人たちについて詳細に描写したいと思っていたら、丸1話使ってしまいました。
不登校の生徒というのは、中学時代に結構いた記憶があります。案外気付かぬうちに学校で姿を見なくなっていて、あの頃私も気付くのに相当遅れた記憶があります。
次回はこの話の続き、そして拉致シーンへと向かうこととなります。
第5話〜迷走の章・3『睡魔』
今回は生徒たちの顔出しと、拉致シーンとなります。
使用した話数などの都合もあって、今回は九州上陸後に拉致という形となりましたが、私の作品ではまだやっていないパターンだったので偶然とはいえ良かったのではないかと思っています。
新たに初登場の生徒も多く登場させましたが、まだ出番のない生徒もまだまだいます。彼らについては、この先の話にて。
さて、今回の担当教官は……?
第6話〜迷走の章・4『覚醒』
悠斗たちが目覚め、本格的にプログラムが始まろうとしています。
今回はスタート地点をオーソドックスな学校などの場所から変化をつけてみました。その結果、生徒たちも映画版バトロワの状態で眠っていたことになります。
また、担当教官登場前の生徒たちの会話も多めにしてみています。
そしてついに担当教官登場ですが……たぶん、元ネタは分かりやすかったんじゃないかと……。
第7話〜『憤怒』
担当教官の元ネタですが、大体の方は分かったかと思います。見た目からしてインパクトありますからね、元ネタの方々。
そして今回の話は『〜の章』とついていませんが、隆彦のように、『〜の章』とつかなくても視点を与えられる生徒は当然います。もちろん今後もそういう生徒は出てくる予定です。
ある種定番である見せしめですが、最後まで首輪による爆死が銃殺か悩みました。しかし「均は『仮面演舞』の太伯高之みたいにうろたえなさそうだ」という判断で銃殺となりました。
次回から、ゲーム説明と会場の紹介などに入っていきます。
第8話〜迷走の章・5『出発』
今回のルールですが、今までのように転校生とか特殊ルールなどは特にありません。今回はオーソドックスなルールで行こうかと思っています。
一ヵ所だけ変化があるとすれば、前話で死亡した均の支給品の扱い。
過去作や他の方の作品だとそのまま……というケースが多いのですが、今回は他のデイパックに混ぜるという形を取りました。
これがどういう効果をもたらすのかは、別に大した伏線ではないのですが、『その』デイパックを手に入れた生徒が出てきてからのお楽しみということで……。
第9話〜迷走の章・6『希望』
今回も出発シーンの続きです。
正直なところ、悠斗のキャラクターは設定した私自身掴みづらく、毎度毎度非常に難産です。まさにタイトル通りの迷走ぶり(汗)
そして康。彼はなかなかの切れ者としてここまで描かれていますが、果たして彼自身のプログラムにおける展望の詳細はいかなるものなのか?
それは次回以降……。次回からは、いよいよ駅舎の外に話が移っていきます。
第10話〜『合流』
出発直後の康の話からスタートです。
康は親しい仲間を集めることから始めるようで、それ以外のクラスメイトを誘うことにはやや消極的です。
しかしこういった状況下ではその判断が一番妥当なのではないかと思われますし、頑なに受け入れないというほど頭が固いタイプではなく、なかなか強固なグループ作りが可能かもしれません。
そんな彼の視点から見た他のクラスメイト評も若干交えつつ、永市との合流に成功。
装備に初期段階から恵まれた2人ですが、無事他メンバーと合流できるのでしょうか?
第11話〜『愛情』
ゲームに乗るつもりはなかった智美ですが、普段の評判が今ひとつであったが故に立場は厳しいはず。そのことを自覚しているのか少しネガティブになっているようです。。
孤立していたわけではないのですが、友人と合流できなかったことはかなり痛いといってよいでしょう。
どうにかよく知っている相手と合流できましたが、油断が仇となってしまい、ゲーム開始後の退場者第1号となってしまいました。
その智美を手にかけた久信ですが、果たしてその目的は……?
第12話〜情念の章・1『初恋』
久々の新サブタイトルは、『情念の章』。その主人公となったのは智美を殺したばかりの久信でした。
智美を殺したこと自体は衝動的なものに近かったのですが、その時に抱いた思いに忠実に動こうとする決意を固めてしまいました。
その結果、久信が本格的なやる気の生徒第1号という形に……。
決意を固めた久信の、次の標的は一体誰なのでしょうか?
第13話〜『不安』
康たちに続いて、脱出へ向けて行動を起こすグループが登場です。
しかし合流場所にいなかった久信は前話であった通り、既にゲームに乗っています。
彼らが出会った場合、果たしてどうなってしまうのでしょうか?
もともとの交流が決して大きいものではなかった以上、鍵を握るのは一体……。
第14話〜『覚悟』
康のメモを受け取りながらも、恐怖に負けてゲームに乗る道を選択してしまった真之。
武器自体はなかなか恵まれていたのですが、少々注意力が足りなかったかもしれません。また、精神的にもプログラム向きのタイプではなかったようで、早期に生命を落としてしまいました。
一方、その真之を屠った謎多き人物、哲弥。
彼もまた、要注意人物のようですが……。
第15話〜深遠の章・2『標的』
今回はちょっと繋ぎの回ですが、重要な情報もいくつか用意しております。それが何なのか、是非考えてみて下さい。
ちなみに『彼女』が聞いた銃声は、第14話で真之が哲弥に対して発砲した時のものです。これがプログラム最初の銃の使用ですから、他の生徒も聞いているかもしれません。
そしていよいよ、タイトルにも使われた『Gatekeeper』の訳、『門番』が作中にも登場しました。
『門番』である『彼』が守るものは何なのか……。
第16話〜守護の章・1『少女』
さて、今回は『守護の章』。『守護の章』の主人公は、初登場の伊織です。
個人的には、いわゆる「中性的な容貌」の人は伊織みたいな悩みを持ったことが多かったりするのではないか? そんなふうに考えています。それ故に、彼の過去話を追加しました。
彼もまた、やる気になっている生徒の一人のようです。武器は非常に強力ですが、取り回しなどに苦労しそうです。
そして彼が想いを寄せる女子生徒は誰なのか。それもまた、いずれ『守護の章』内で明らかにしていきたいと思います。
第17話〜門番の章・2『通信』
今回は、プロローグ以来となる『門番の章』となります。
その主人公の正体はまだ明かされませんが、短めの話の中に、またある程度情報を入れておいたつもりです。
プロローグの意味を知りたい、という方はこれまでの情報を少しずつ整理していくと良いかもしれません。正体については……もうちょっと待ってください。
さて、主人公の少年は完全にゲームに乗っている模様。ターゲットを発見したようですが、果たして……?
第18話〜『店内』
無事ショッピングモールにたどり着けた康と永市。
さらにメモを渡したメンバーの一人、健太との合流も果たし、まずまず順調な滑り出しです。しかしメンバーの一人、真之は既に……。それを知った時の反応は少々心配です。
なお、今回の舞台であるショッピングモールのイメージは、とあるホラーアクションゲームに登場するショッピングモールを参考に作っています。
今後もこのモールは出番がありますので、何のゲームを参考にしたかも興味があったら考えてみてください。
第19話〜『裏切』
今回は初登場の弓、志穂、玲香の三人組。
比良木智美たちのグループとは違いますが、こちらもやや不良っぽい女子の集まり。他の生徒からは浮きやすいポジションだけに結束は固く見えましたが、意外とそうではなかったようで……こういう形となってしまいました。
果たして、一人生き残った弓は今後どうなるのでしょうか? 少々精神面に不安が感じられますが……。
なお、今回は砒素中毒を描写するにあたって、ある程度中毒症状についてネット上で調べるなどしましたが、何かおかしな点がありましたら教えていただけると嬉しいです。
第20話〜迷走の章・7『自責』
第9話以来となる迷走の章、悠斗も出発後としては初の登場です。
道に迷ったこともあって結果的に行った寄道でしたが、それが悠斗にとっては衝撃的な事態を招いてしまいました。澄香の死自体は、原作において七原が大木を殺してしまった時と状況は似ています。
そう考えれば、悠斗自身に責められる点は少ないはずなのですが、彼は果たして立ち直れるのか……?
そして、これまでにも名前は出てきていましたが今回が初登場の冬子。なかなか気丈なところを見せてくれています。
こうして行動を共にすることになった二人ですが、悠斗の本来の目的地であるショッピングモールには到着できるのでしょうか?
第21話〜瞬間の章・2『再燃』
第1話以来となる『瞬間の章』。その主人公である江里佳の話です。
第1話で描いた過去の出来事がきっかけで、血に対する恐怖心を抱いてしまっている江里佳ですが、その恐怖心はプログラムの環境下で増幅されている状態です。
さらに悠斗による澄香殺害の瞬間を目撃したことで、忘れていた過去の記憶も蘇ってしまいました。この一連の流れは、原作の七原による大木殺害シーンをモチーフにしています(まあ原作読んでいたら分かることだと思うのですが)。
精神的にかなり追いつめられてしまった江里佳ですが、果たして……?
第22話〜『誓約』
開幕編最後の話は、ショッピングモール組で唯一動向が不明だった峻の話です。
密かな誓いを守ろうとしていましたが、「人を傷つけない」というのはこの状況下ではとても難しいこと。結局哲弥に反撃できず敗れてしまいました。
しかし彼のその決意自体は、人間としては決して間違ってはいなかったのではないか、などと考えたりします。
この峻ですが脇役の割に設定が結構多く、ここで退場させるのももったいないと思っていたのですが……峻のスタンスを考えると変に延命するのも良くないと思い、ここで退場としました。
なお、峻の回想に出てきた早紀ですが、拙作『仮面演舞』を読まれた方は分かる人もいると思いますが、同作に登場した御津早紀です。
そして次回から、新たに『鳴動編』へと突入します。