杉琴。の戯言
〜 あとがきと解説 〜


集約編

第87話〜『偶然』

『集約編』のスタートは『崩壊編』『惑乱編』に引き続き、担当教官・古嶋の視点からとなります。
これまでの流れをまとめる的な意味では、非常に今回の担当教官たちは便利に使えて助かっています。
今回は、前回の蛍に続いて、直美に関する情報がいくらか開示されました。直美の父親については以前にも『後悔の章』の中で触れていましたが、今回ようやく具体的な話が出てきたわけですね。
無論、蛍についての情報も、直美についての情報もまだこれだけではありません。
彼女たちが、冬子と哲弥にどう関わっていくのか。冬子と哲弥の過去とは。
そのあたりも、この『集約編』から徐々に明かされていく感じに書いていく予定ですので、お楽しみに。
次回は、生徒視点になります。

第88話〜代行の章・3『質問』

最初の生徒サイドは『代行の章』。
『惑乱編』ラストで合流した永市と直美は、無事に行動を共にしているようです。
放送で雪乃たちだけでなく江里佳の名前が呼ばれたことで多少動揺はありましたが、ほとんどは既知の内容だったため、混乱はほぼなし。今後に向けては良い傾向と言えるでしょう。
直美の方も、悠斗や雪乃の言葉が良い具合に作用し、徐々に本調子を取り戻しつつあります。本来通りならば基本スペックもそこそこなので、期待できそうです。
そうやって直美の立ち直りがあったおかげか、ようやく直美が悠斗から離れた理由が明かされることに。
ここにきてまたしても『五年前』というワード。このワードが色々な事柄を紐解く鍵になるはずです。
次回は、一話丸々使っての過去編となります。

第89話〜後悔の章・6『家族』

『後悔の章』・過去編です。
今回でようやく直美の過去について語られ、悠斗から離れた理由も明かされました。
実はこれらの背景、ここに至るまでに細部がたびたび変更され、紆余曲折の末に現状へと落ち着いた内容だったりします。その辺の裏話はやりすぎると先の話にも関わるので、完結後にでも……。
そして直美の父の事故が何者かに仕組まれたものだという可能性が高くなりましたが、これが他の生徒とどう絡んでくるのか。
気になるのは直美を探していて、意味深な言動をしている蛍ですが、現時点で直美は蛍についての情報を全く持っていません。
少なくとも、ほぼ完全に立ち直ったと言える直美の動向には要注目、といったところ。
果たして、今後の行動は……?

第90話〜代行の章・4『抵抗』

直美の話を聞いた永市、どうにかこうにか情報を整理します。
永市は康に比べるとそこまで頭の切れるタイプではありませんが、そこそこ常識的な思考の持ち主ではありますので、何とか考えをまとめられたようです。
五年前の事件については、ここである程度まとまりましたが、永市は現時点でそれ以上の深入りをするつもりはなさそう。まあ、この状況で最大の優先事項と言える話ではないですから止むを得ませんが……。
これらの話に関しては、現状永市・直美ペアから得られる情報はここまでといえるでしょう。もっと別の観点から話が進行していくことになりそうです。
そして遂に、永市と直美も明確に脱出へ向けて動き始めました。もっとも、現時点で誰も具体的な脱出プランを持っていないため、先の展開は茨の道かもしれません。
彼らは果たして隆彦たちや友宏たちと会えるのか、それとも……?


第91話〜門番の章・6『危惧』

かなり久々登場の哲弥。『惑乱編』の間は休息中で殆ど出番がありませんでしたが、いよいよ再始動のようです。
冬子が隆彦たちに追い払われた件について考察する中で、初めて哲弥から見たクラスメイト評が登場……といっても、すごくあっさりした代物ですが。
ここで判明した事実としては、どうやら哲弥と冬子のやった何かが原因で蛍が不登校となった、ということ。そして蛍は哲弥たちのことを何か知っている可能性がある、ということでしょうか。
これならば、冬子と遭遇した時の蛍の反応についても色々と可能性が考えられそうで、重要な情報といえます。蛍のキーパーソン度、さらに上昇です。
そんな中で哲弥が発見したのは、友宏と百合のペア。即襲撃かと思いきや、前回復活した友宏の警戒もあって即襲撃とはならず。
しかし哲弥も諦めたわけではないようで……二人の運命はどうなるのでしょうか?


第92話〜『自己』

今回が初の視点回となる真琴。
元々の性格ゆえに、どうやら最初からホテル組のことは見限っていた様子。しかし行動がいちいち後手に回ってしまい、負傷もあって現状かなり不利な状況下にあります。
正直、現時点の生存者の中では一番状況が危険なような気も……。
それでも生き残りに貪欲な姿勢を見せていますが、事態はなかなか好転せず。そこへ現れたのは、前回の話で哲弥に捕捉されている友宏と百合。襲撃を考えていますが、かなり難しい試みであることは間違いないでしょう。
かくして図らずも三つ巴の状況となった警察署周辺。ここからどう事態が動くのか−−次回に続きます。



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