BATTLE ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜


第22話

 倉田凪(女子6番)は、自分にショットガンの銃口を向ける神野優(女子8番)に向かって言った。
「何で…何でよ、優!」
 だが、優は答えようとはしなかった。
「何であなたがこんな…」
 すると、やっと優が答えた。
「何でって…私はゲームに乗ることにしたの。…紀世彦くんを、優勝させるために」
「そ、そんな…」
 凪はそれっきり黙ってしまった。
 そこで優は更に言った。
「あとね、私…凪にずっと嫉妬してたの」
「…」
 凪は、黙ったままだった。
「あなたは活発でかわいくて、紀世彦くんにはお似合いの人。それに比べて、私はこの醜い右目の傷のおかげで…」
 すると、凪が優の言葉を遮った。
「そんなことない! 優は私なんかよりずっとかわいいよ! 自分に自信を持ちなよ!」
「…でも、私はもう、紀世彦くんのために人を殺すって決めたの。さよなら、凪」
 そう言って優はSPASの安全装置を外した。
「!」
 ドゴン。
 凪は腹を撃ち抜かれ、仰向けに倒れた。
 しかし、凪はまだ生きており、息も絶え絶えになりながら優に言った。
「お願い…優…私は殺されてもいいから…他の罪もない人を…殺すのはやめて…」
 そう言うと、凪は力尽き、事切れた。
 凪の死体に向かって、優は言った。
「ごめんね、凪…。さっきの嫉妬してたっていうの、嘘なの」
 そう、優は凪に嫉妬などはしていなかった。むしろ、高円寺紀世彦(男子7番)に修学旅行中に告白すると言ったとき、それを応援するつもりでいたのだ。
「でも、私は紀世彦くんを優勝させたいの。ごめんね…ごめんね…」
 優の目には、涙が浮かんでいた。
 そして優は泣きながら、その場を後にした。
女子6番 倉田凪 退場


<残り36人>


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