BATTLE
ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜
第23話
「そんな…」
高円寺紀世彦(男子7番)は、ただ呆然と立ち尽くしていた。
足元に転がる、倉田凪(女子6番)の死体。
小さい頃からいつも一緒だった幼馴染の死体。
その幼馴染の腹には、大きな穴が開き、そこからまだ血が流れ出ていた。
さっき銃声を聞いてこのB−6まで来たが、そこで見たのは紀世彦が一番見たくなかった、幼馴染の死体だった。
「そんな…嘘だ…」
紀世彦は力無く座り込んだ。
そして紀世彦は凪との思い出を思い出していた。
―活発でいつもあまりじっとしてなくて、紀世彦や神野優(女子8番)をいつも困らせていた凪。
―ある時川に落ちて、紀世彦が助けてやった時泣いていた凪。
―優の右目がなくなった時、優を優しく慰めていた凪。
―中学生になっても活発なのは変わらなかった凪。
―その凪はもう…、この世にはいない。
「嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
紀世彦は泣きながら拳を何度も地面に叩きつけた。
そしてやがて泣き止んだ紀世彦は、傍らの日本刀(これは紀世彦の支給武器だった)を手に取った。
そしてそれを抜くと、近くの木に切りつけた。
「俺は凪をこんな目にあわせた奴を許さない。そいつを地獄に落としてやる。誰が殺したのか分からないなら…全員殺してやる」
紀世彦の目はもはやクラスの女子に人気の男子が持つ、優しい目ではなく、復讐鬼の目になっていた。
だが、その凪を殺したのが、同じ幼馴染の優だとは、彼は知る由も無い―。
序盤戦終了―
<残り36人>