BATTLE
ROYALE
〜 死線の先の終末(DEAD END FINALE) 〜
13:刃狼、来たる
廃校で自分の愛刀『紫電』を取り、再びプログラムに引き返したブレイド・ウルフ。
いや・・・、それは敵国の人間が勝手に呼んだ名だ。
「刃狼」、その方が彼にとってはしっくりくる。
刃狼はまず、プログラムにいる人間の抹殺に乗り出そうとしていた。そして、より多くの“声”がする方に足を向けたのである。
そして、公民館より1km離れたところで、一旦止まった。人数の確認である。
ふむ・・・5、いや6人か・・・ しかもこれは・・・、少々厄介なモノを持ってるやつがいるな・・・
そう思い、自分の支給品の武器を覗いてみた。
む、これは・・・、なるほど。これで殺れるか・・・
一瞬で計画を立案した餓狼は今、ゆっくりと公民館へと足を向けた・・・
大塚 真澄(女子4番)は自分に支給された『レーダー』を逐一チェックしてた。自分の行動が、この篭城のキーマンになることを知っていたからだ。
「真澄ちゃん、敵は来てな〜い?」
と笑いながら、玉野 笑美(女子10番)は言った。手には支給された『ピアノ線』が握られていた。
「うん! 大丈夫! 元気だけがとりえだもん! 頑張るよ!」
と言って自分に気合をいれた。
「よかったぁ。うん、そうだよ。みんなで生きようね」
とニコッと笑美が笑う。この子が笑うと本当に場が和むね・・・、悠長なことを思いながら、レーダーを見出した。そして、自分の好きな人のことをふいに思い出した。
那節君・・・・
真澄は那節 健吾(男子11番)のことが好きだった。実は前日のホームルームのあとの集まりは、亜希子が計画した告白会になる予定だったのだ!(ちなみに千里は大和、浜田には笑美だった。これがわかんない!)
その時、告白の決心をしたつもりが、今度はプログラムに参加する決心をするはめになるとは夢にも思わなかった。しかし、御手洗君が那節君を連れてここに来ると聞いたとき、私は理不尽だけど喜んだ。
那節君に会える・・・・もし、会ったらこの気持ちを伝えよう。もしかしたら、もうできないかもしれないから・・・
そんな決心をむねにこの公民館にきた。
「那節君・・・」と小さな声で呻いたその時、レーダーに自分たち以外の反応が現れた。
「!?」
その反応が来ている方角を確かめる。
東の森から来てる!
そう思い、笑美がいた部屋から出て、東の部屋に入り窓から顔を出し、
「千里! 蘭! この先から人が来るよ!!」
自分の窓の先が東・・・ 少し緊張が走る。
「真澄!」
と長川 千里(女子12番)と菊原 蘭(女子6番)が駆けつけた。すると千里は
「反応はいくつ?」
と聞き、
「1つよ」
と私は答えた。すると千里が、
「じゃあ、もしかすると、風花かもしれない!」
そう聞いて思い出した。まだ、黛 風花(女子17番)は来ていなかったことを。
「呼んでみよう!」
千里が言う。
「あたしも」
蘭も続いた。
「おお〜い! ふうかぁ〜〜! あたしだよ、千里だよ〜!」
「風花、こっちだ!」
そう言って、風花に呼びかける。ああ・・・・、やっとそろうんだ、みんな、みんな!
しかし、なにかがキラッと光った次の瞬間、私の胸部に鈍い痛みが走った。
ボキボキッ!!
って音が聞こえた。
「ゴホ・・・」
その飛んできた「モノ」のせいで私は少し下がってしまった。レーダーも振りかぶったさいに投げてしまった。そしてその「モノ」が私の腹部から床に落ちる。
カランカランって音がした。な・・・なんだろ。
そして、その「モノ」が私の目の前でピカッ、と光ったのだ。
そこで、真澄の意識は途絶えた。実際には、ドッコォォォォォォォン!!!!! という轟音が鳴り響き、大塚 真澄は跡形もなく吹き飛んだからだ。
【女子4番大塚 真澄 死亡】
刃狼は公民館の手前100m付近まで来ていた。公民館の窓も見えたのもあったが、そこが自分の「遠投可能距離」だと認識していたからだ。
そして、自分の支給武器『手榴弾』を1個取り出す。そんな準備をしていると、先から声が聞こえる。どうやら、誰かを呼んでいるようだな・・・
愚かな連中だ、これから全員死ぬというのに・・・ まぁいい、狙うは『レーダー』の女・・・
刃狼は事務的にそう思い、手榴弾のピンを抜いた。そして手榴弾を「投げた」のである。いや、投げるスピードから「投擲」と表現してもいいくらいだった。
その数秒後・・・、先方で爆発音が鳴り響いた。
よし、行くぞ・・・! 刃狼はすさまじいスピードで公民館との距離を縮めていった。
前半戦、もっとも凄惨を極める戦いの火蓋が切って落とされた・・・
【残り・・・35名】