しすの暗黒理力
〜 あとがきと解説 〜
第四部 終盤戦
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終盤戦は開始早々怒涛の展開です。
3度目の放送によって受けた俊介のショックは作者である私も想像できません。
それだけに一輝の存在は大きかったと思います。
少々含みを持たせた引きになっていますが、次話への序章になっております。
中盤戦の最終話で書いた通り、冬哉が生き残っている選手に少なからず影響を与えます。
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前半部は、ここまで出番がほとんどなかった委員長の話です。
全くの誤解から俊介達の仲間に入る事が出来ませんでした。
一輝も冬哉の死で人間不信に陥っていたのでしょう。
後半部は生まれながらの女王と悪の女王の一騎討ちです。
女子同士の戦いなので、珍しく銃撃戦となっております。(笑)
潤子があるものを手に入れますが、これは最後まで迷いました。
初期プロットでは尚子が最後の力を振り絞って銃口の前に“アレ”を突き出し、彼女共々こなごなに破壊されるというようにしていたのです。
この変更がどうなるのか…私も楽しみです。
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前話に続いての戦闘シーンです。
といってもほとんど一瞬で終わり、一方的な結果に終っています。
英明をもう少し活躍させてもよかったのですが、特に重要な役回りを与えられなかったのでここで退場してもらいました。
この回も実はちょっとした伏線になっております。
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閑話休題といった感じのお話です。
真吾が常人よりも速いスピードで移動をしていた秘密をさりげなく書いておきました。(笑)
また、雪菜が自己中心的に話している描写を入れていますが、真吾に会えたうれしさと少し甘えているというのを表現したかったのです。
ここから終盤戦の激闘編へと突入です。
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未登場だった新井真里のお話です。彼女も五代冬哉の死を知り、政府と戦う決心をします。
それを果たす事は出来ませんでしたが、彼女の想いは無駄にはなりません。
そしてここに来てジェノとなった黒田亜季。彼女の壊れっぷりはいかがでしょう。
終盤戦を盛り上げるキャラの一人となります。
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真里の残したパソコンにはある秘密がありました。
教室での座席表を見ていただければお判りになるかと思います。
彼女は永井達也とコンビを組む予定でしたが、東田尚子との兼ね合いもあり設定のみとなりました。
そして真吾は何を見つけたのか? 彼の言葉からご想像ください。
真吾が雪菜に別れを告げたのは、皆様ご承知の通り華瑛の為でございます。
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心に傷を負った国平と章次。
それぞれ戦う意味を捜し求めています。
人を殺す恐怖が薄れてきた所でしたが、自分が狂っていくのではないかという別の恐怖に襲われ始めた国平。
今まで「殺す」と口にしてきたものの、実際に冬哉を殺めてしまった罪悪感にさいなまれる章次。
二人の今後の行動にご注目ください。
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前半部は英明により気絶させられていた俊介の様子です。
実際に頭部を強打されて5時間も気絶していると危険だと思いますが、物語としてご容赦ください。
何故俊介が竹内潤子に見つからなかったのかという疑問をお持ちの方がいらっしゃるかと思います。
“ソロモン”は現在エリアモードのみになっており、俊介が気絶していたエリア(A−6)と潤子のいるエリア(A−5)が違っていたためです。
それでは、何故潤子はA−6に行かなかったのでしょう。それはもちろん…。
後半部は「本部」の様子です。新キャラ登場ですが、名前の付け方が少し強引だったかもしれません。
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真吾と雪菜の夜間行軍です。
この話で登場したスターライトスコープですが、ニュースの映像で警察の押収品の中にこれが入っていました。
驚くと同時に使えると思いました。
このお話しも後半部の伏線になっております。
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61話で俊介とはぐれてしまった一輝たちの行動です。
果たしてこの行動が正しかったのかどうか。
一輝は、進のような相手とばかり戦う羽目になります。
ここで初めて彼の支給武器が登場しますが、関西らしい物にしてみました。(笑)
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一輝と理恵子の最期です。
二人とも互いを思いやり、助けあってきましたが、ここで無念の退場となりました。
一輝は思っていた以上に人気が高くなりました。
もっと雄々しく散っていく描写を入れようかと思ったのですが、やはり等身大の彼が一番だと思い、理恵子とともに旅立たせました。
一輝を倒した亜季は、コテージ以来大暴れでした。終盤戦を大いに盛り上げてくれた彼女にも感謝です。
進の持っていたブルドックという愛称のついた銃はもう一種類あり、そちらは警察官も使っていたそうです。
これも長い伏線でした。(汗)
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終盤の乱戦のため、登場人物が多い回です。(笑)
前回に引き続き、銃の機能をメインに話を展開させました。銃器のお好きな方はともかく、そうでない方には面白くなかったかもしれません。
短い文章ですが、沢渡雪菜vs竹内潤子というのがこの回の目玉でしょうか。
62話で御影英明が藤田一輝に対して言おうとしていた事をさりげなく出しております。(汗)
ウッドチップという弾頭を話に織り交ぜたかったのですが、結局は力不足でこれ以降の伏線になりました。
国平は、もう少し活躍させたかったのですが黒田亜季のほうがいい感じになったので、損な役回りとなりました。
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ついに「あの御方」の正体が明らかになります。
お話の流れとして結城真吾=あの御方という構図を作りたかったのですが、力不足でした。(涙)
竹内潤子もあえなく退場です。彼女にとっては、ある意味幸せな死に方だったのかもしれません。
お気づきの方もいらっしゃるでしょうが、あの御方が含みのあるコトを言っております。
後半部は次のお話への導入部ともなっております。
まだまだ激闘編は続きます。
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おさらいを兼ねて、前半部で生徒紹介を入れてみました。
ようやく3年4組の全員が登場です。
そして前話で「あの御方」が言った、もう一人の信者も登場しました。
洋子の支給武器は、原作を読んだ時から使ってみたかった物です。インパクトは弱かったかもしれません。(汗)
激闘編のクライマックスへ、物語は加速していきます。
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ミステリーの要素を加えたお話にしてみました。
「生兵法はケガの元」といったところですね。相手が悪かったともいえます。
普段は冷静な俊介が洋子の演技に騙されたのは、「プログラム」という状況があったからかも知れません。
一瞬でも親友を疑った彼は、残念ながら恋の炎も命の炎も消されてしまいます。
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激闘編のラストを飾るお話です。
恐らく愚作の中で一番派手なお話だと思います。(笑)
当初のプロットでは、俊介のペットボトルロケットが「本部」爆破の役割を担う予定だったのですが、よくよく調べると、狙った所に向けて打つというのが非常に困難だったので、あえなくお蔵入りとなりました。
次回から待望(?)の朝宮みさき編です。
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朝宮みさきの「プログラム」です。
みさきの元ネタをご存知の方には、より楽しんでいただけるように工夫をしてみました。
真吾達とは違ったバトルをお楽しみください。
みさきが優勝に至るプロセス、そして今後の展開のための伏線として、どうしてもこのお話が書きたかったのです。
ここまでが長い道のりだったせいか、書き終えたあとで少し燃え尽きた感じでした。(笑)
このお話で登場する野崎一平こそが、プロローグに出てきた少年です。
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前回に続き、朝宮みさき編です。
「プログラム」終了から現在へ、順次時間を進めるような形を取りました。
前半をすべて会話調にしたのは、みさきの状況を皆様にご自由に想像していただけるようにしたかったからです。
そして物語はいよいよフィニッシュへと突入です。