BATTLE ROYALE
〜 死神の花嫁 〜


プレリュード

[春(小野真弓)]

 少し肌寒さを残す、春の朝。
 狭い路地を元気に駆け抜けた。
「ほら、もう張り出されていたい。早く行こう!」
「あ、う、うん…」
 不安な気持ちのまま校門をくぐると、校舎に即席の掲示板が設えてあった。
 祈るような思いで、自分とあの人の名前を探した。
 あの人は何組だろう?
 そして・・・
「残念だけど、別々のクラスみたい・・・」
 あの人は、後ろから声をかけてきた。
 咄嗟に振り向くと
「でも、ずっと会えない訳じゃあなかけん」 
 満面の笑みで言うあの人に、負けないような笑顔を返してうなずいた。


§


 こんな死に方をする人ではなかった。
 こんな若さで死ぬ人ではなかった。

 あなたは何故逝ったの?
 あなたは何を思いながら逝ったの?
 業
 過去
 愛国心
 プライド
 それとも…?


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