BATTLE ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜


第10話

―プログラム。
 神野優(女子8番)は、その単語を聞いて硬直した。
 教室全体に沈黙が流れた。
 その沈黙を、兎丸葵(女子13番)が破った。
「あの…担任って…高村先生はどうしたんですか?」
 その言葉に、稚下野という男は答えた。
「あー、お前らの前の担任の高村先生はな、このクラスでプログラムをする事にもの凄く反対してな? 仕方ねーから…おい、血水、御森」
 稚下野がそう言うと、血水といった女と御森といった男が(おそらくこの2人は、政府の兵士だろう)担架を持ってきて、上に乗っかった袋を取った。
 そこには…。
 全身に穴の空いた、高村隼人の死体があった。
 ほとんどの生徒が悲鳴をあげた。
「殺しちまったよ。でも反抗した先生が悪いんだから、俺に怒るんじゃねーぞ?」
 その言葉に、正義感が強く、曲がった事の嫌いな時田賢介(男子16番)が切れた。
「この野郎、ぶっ殺す!」
 賢介は稚下野に向かっていった。
「よせ、賢介!」
 賢介の親友で野球部の吉山孝太(男子20番)が必死で止めている。
「時田、静かにしてくれよ。じゃないと…」
 稚下野は賢介に向かって何かを投げた。
 稚下野が投げた物、硬球は賢介の腹に思いっきり当たった。
「ぐうっ」
 賢介は苦しそうに倒れた。
「吉山。時田を席につかせろ」
「…」
 孝太は大人しく賢介を席につかせると、自分も座った。
「よし、じゃあ説明をするからな!」


<残り42人>


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