BATTLE ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜


第9話

「…う〜む…」
 高円寺紀世彦(男子7番)は目を覚ました。
 紀世彦のいたそこは、真っ暗な教室だった。
 窓には鉄板が打ち付けてあり、紀世彦自身は机に突っ伏していたようだった。
 そしてクラスメイト全員が机に突っ伏していた。
「どうなってるんだ?」
 紀世彦はそう呟いて立ち上がると、隣の席を見た。
 隣には、信行寺道世(女子7番)が、その前の席には倉田凪(女子6番)が突っ伏していた(しかもこの席順は、きれいに出席番号順になっていた)。
「おい、凪! 信行寺!」
 紀世彦は2人に声をかけた。
 先に起きたのは、道世だった。
「ん…何だ、高円寺か。何処なんだ、ここ?」
「俺にも分からない」
 やがて、凪も起きた。
「あー、よく寝た。あれ? 紀世彦君…何? その首についてるの」
 凪の言葉に、紀世彦ははっとして自分の首に触った。
 そこには銀色の首輪ががっちりとはめられており、それは凪や道世の首にもついていた。
 そのうち、全員が起き始めた。
「何処だここ?」
「今何時?」
「高村先生は何処に行ったの?」
 そんな声がしていた。
 すると、突然部屋のドアが開いて、数人の人が入ってきた。
 そしてそのうちの1人が部屋の電気を点け、部屋が明るくなった。
 電気を点けた人物は、真ん中の教壇に立った。
 その人物は、胸に「S」と書いた緑色の野球のユニフォームを来ており、痩せ型筋肉質のなかなか顔のいい男だった。
「おうお前ら。目が覚めたか? 俺は、今日からこのクラスの担任になった稚下野六郎だ。よろしくな」
 そして稚下野と名乗った男は、黒板に「稚下野 六郎」と書いた。
「お前らは、今年度第25回プログラムの対象クラスに選ばれたぞ」
―何だと?
 紀世彦をはじめ、クラスのほとんどの者がびくっとなった。


<残り42人>


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