BATTLE
ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜
第11話
佐藤康利(男子8番)は、苛立っていた。
―ちくしょう、あの稚下野とか言う奴、ふざけんなよ!
だが、今向かっていったら、時田賢介(男子16番)のように、硬球を食らわされるぐらいじゃ済まない。
今度は殺される。
そう思い、康利は我慢した。
稚下野は、説明を始めた。
「あー、ここは島だ。大体、こんな感じだな」
そう言って稚下野は四角形に近い島を書き、それを縦1センチ、横1センチずつに区切った。
「まあ大体こんな感じにエリアを分けてある。それでこの学校は、この辺だ」
家のような形の絵が北東に描かれた。
「そして1日0時と6時、つまり1日4回放送を流す事になってる。その時、その6時間の間に死んだ生徒と、禁止エリアを発表するぞ。禁止エリアに入ると、お前らのつけてる首輪が爆発するぞ。そしてこの首輪は完全防水、耐ショック製で絶対外れないぞ。無理やりはずそうとすると爆発するようになってるから気をつけろよ。海に逃げても爆発するからな。」
そこまで稚下野が言ったところで、木田治(男子5番)が手を上げた。
「ん? 何だ木田?」
「優勝者が決まらなかったらどうなるんだ?」
稚下野は答えた。
「その点は大丈夫だ。最後の死者が出てから24時間誰も死ななかったら全員の首輪が爆発するようになっているからな! それ以外に何か質問は?」
「…はい」
手を上げたのは円谷和彦(男子15番)だった。
「何だ? 言ってみろよ」
「最後の一人まで残ればいいんすよね?」
「ああ、そうだ。おい、お前ら。円谷はもうやる気になったぞ。こいつには気をつけるんだな」
この時、康利は気づいた。
ほとんどの奴が和彦をじろじろと見ていることに。
<残り42人>