BATTLE ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜


第12話

「じゃあ出発してもらうが、その前に渡すものがある」
 稚下野がそう言うと、兵士の血水がたくさんのデイバッグを積んだカートを運んできた。
「このバッグの中には、水と食料、地図とコンパス、懐中電灯、そして武器がはいってるからな。武器はそれぞれ違うものが入ってて、アタリもあれば、ハズレもある。ハンデをなくすためだから我慢しろよ。私物を持っていくのは構わないからな」
 そこまで稚下野は説明した。
 絵馬忍(女子3番)は、考えていた。
―どうしよう。多分他の仲間といた方が安心できるけど、必ず脱出できるわけでもないし…。
 すると、後ろの席の小山田智絵(女子4番)が何かを渡してきた。
 それは「C−9で合流しよう 葵」と書かれた紙だった。
 C−9は地図のとおりに行くと、学校のあるエリアのすぐ東のエリアだった。
 やはり兎丸葵(女子13番)は仲のいい者で合流を考えているようだった。
―でも、私は行かない。
 忍はメモを前の席の瓜田みどり(女子2番)を通して阿佐田仁美(女子1番)に渡してもらった。
「んじゃ出発してもらおうか。じゃあトップは…男子11番、高山洋一!」
「は、はい!」
 高山洋一(男子11番)の顔は、青ざめていた。
 洋一は出口まで行き、バッグを受け取った。
 すると稚下野が言った。
「じゃあ宣誓してもらうか。はい、「私たちは殺し合いをする」3回言えよ!」
「私たちは殺し合いをする、私たちは殺し合いをする、私たちは殺し合いをする!」
「じゃ次はやらなきゃやられるって3回言うんだぞ!」
「やらなきゃやられる、やらなきゃやられる、やらなきゃやられる!」
「よし、行け!」
 洋一はすぐに走っていった。
 6月19日AM3:05、ゲーム開始。

 序盤戦に続く


<残り42人>


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