BATTLE ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜


序盤戦

第13話

 学校を出てすぐ近くの茂みの中。
 そこに、藤川圭吾(男子20番)と橘蓮(男子12番)はいた。
 2人は仲間を待っていた。
 友人の小畑智(男子3番)と高円寺紀世彦(男子7番)をだ。
 まず、今井友也(男子2番)が玄関から出て行くのを、2人は見た。
「あと、瓜田が出て行ったら、智だな」
 蓮が言った。
「ああ…」
 その少し後、瓜田みどり(女子2番)が玄関から出て行った。
「よし、智が出てくるぞ」
 そして、智が出てきた。
「おーい、智!」
 蓮が叫んだ。
 すると智が、2人のところへやって来た。
「圭吾! 蓮!」
「ほら智! 早く茂みに入れ」
 圭吾が言うと、智はすぐに茂みの中に入った。
「なあ、智。武器は何だった?」
 圭吾が言った。
「あっ、確認してなかった」
 そう言って智はデイバッグを開けた。
 そして中から拳銃らしきものを取り出した。
「えーと…ワルサーPPK9mmとかいう銃みたいだ…。ところで、2人は何だったんだ」
 智の言葉に、蓮もデイバッグを開けて何か大きな石のようなものを取り出した。
「俺は…はは、笑っちまうよ。漬物石だと」
「俺は…これだな。鎖」
 圭吾はそう言ってデイバッグから智の背丈ほどの鎖を取り出した。
「ふう…結局智の武器が一番使えるみたいだな」
 圭吾がため息をついた。
「もういいだろ、そんなの。とにかく、紀世彦を待とうぜ」
 そう蓮が言った直後、背後で音がした。
「?」
 振り返ると、名神和代(女子14番)が立っていた。
 蓮はすぐに和代について考えた。
 和代は地味で孤立したオタク少女だ。
 仲間にするのは難しいだろう。
―とにかく、話し掛けてみるか―。
「おい、名神―!」
 蓮はそこまで言って、やめた。
 もう、和代に話し掛けるのは無理だった。
 何故なら、和代が手に持ったサバイバルナイフを思いっきり振り下ろしてきたからだ。
「うわっ!」
 3人は何とかそれをかわして、西の方面に走った。
 だが、和代も追いかけてくる。
 蓮が走りながら言った。
「圭吾、紀世彦はどうするんだ?」
「この際はしょうがない。紀世彦なら大丈夫だ!」
 そして3人は走り続けた。
 3人を見失った和代は追うのを諦めた。
―逃がしちゃったか。まあいいわ。他の人を殺して武器を奪えばいいだけよ。しょうがないから次の獲物を探そうかな。優勝して普通の生活に戻りたいもんね。


<残り42人>


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