BATTLE
ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜
第17話
民家の建ち並ぶ、I−4の集落。
そこの道路を和歌野将(男子22番)は歩いていた。
右手には支給武器のレミントンダブルバレルデリンジャーが握られていた。
将はいつも彦野勝(男子19番)にいじめられていた。
あまりに陰険だったため、ついに将は学校を休むようになった。
だが、学校を休みだして、気が付いた事があった。
―自分がこうやって休んだら、かえって勝が付け上がるだけだ。だから、僕はいじめなんかには負けない。絶対。
そう思うようにした矢先のプログラムだった。
でも、将は諦めようとは思わなかったし、いま持っている銃で勝を殺そうとも思わなかった。
だが、とりあえずは医療用品が必要だと、将は思った。
このI−4には診療所がある。そこで調達しようと思っていた。
すると、目の前に診療所が見えた。
―よし。
そして将がドアノブを握ったそのとき、ドアが開いて中から彦野勝が出てきた。
「お? 和歌野じゃねえか」
「…!」
「あっ、お前銃が支給されたんだ。いいな〜、俺にくれよ」
「嫌だ」
将がキッパリと断ると、勝が声を荒げた。
「いいからよこせって言ってんだよ!」
バキッ
勝に思い切り殴られ、将は倒れた。
「じゃあ銃はもらっとくぜ。じゃあな」
そう言って勝は診療所の中に戻っていった。
「…っ、くそっ…」
将は起き上がった。
「武器を取られちまった…どうする?」
そこで、将は診療所の庭にあった拳大の石を拾った。
「これを使うしかないか…」
そう言って将は元来た道を戻り始めた。
<残り40人>