BATTLE ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜


第18話

「どうした?」
 診療所の中に戻ってきた彦野勝(男子19番)に、曽原秀也(男子10番)が聞いた。
「和歌野がここに入ろうとしたんで、駄目だって追い返したんすけど…」
「勝、お前また和歌野を殴ったんじゃないだろうな?」
 今度は今井友也(男子2番)が聞いてきた。
「してねえよ」
 勝はそう、嘘をついた(本当は和歌野将(男子22番)を殴り倒し、武器のデリンジャーを奪ったのだが、そんなことは言えるはずがなかった。そのデリンジャーは小さいのでポケットに隠した)。
 3人は秀也が回したメモを読み、この診療所で落ち合ったのである(ちなみに円谷和彦(男子15番)は呼ばなかった。稚下野への質問の時、誰もが「やる気」だと判断したからだ)。
 しかし、この3人の中にも、ゲームに乗っている者がいた。
 勝である。
 だが、3人の武器はひどかった。
 秀也のバタフライナイフはまだいいほうだ。
 だが勝はまち針、友也に至っては洗濯バサミだった。
 でも今は将から奪ったレミントンダブルバレルデリンジャーがある。
―機会を見て、2人とも殺してやる!
 とりあえず、勝は少し様子を見ることにした。
 そこへ…
 ドカッ! ドカッ! 「うああああああ!」ドカッ!
「…! 何だ今の音は?」
 秀也が言った。
「案外近いみたいですよ、曽原さん!」
 友也が秀也に言った。
「俺、見てきます!」
 そう言って勝は診療所を飛び出した。
―何だ今のは? 俺以外のやる気の奴が近くにいるのか?
 やがてH−4に勝はたどり着いて、ある光景を見た。
 その光景は、勝も信じられない光景だった。
「ま、まさか…」


<残り40人>


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