BATTLE
ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜
第2話
ピピピピピ…
「もう朝…?」
神野優(女子8番)は、目覚まし時計のボタンを押し、ベッドから出た。
「お母さん、おはよ〜」
「あら、おはよう。朝ご飯、出来てるわよ」
母、聡子がそう言ったが、優は返した。
「待って、顔洗ってくる…」
優は洗面所に入ると、鏡を見た。
そこに写った優の顔には、右目がなく、深い刺し傷だけがあった。
―今日は楽しみにしてた修学旅行なのに、嫌なことを思い出しちゃったな―。
すぐに優はその事を考えないようにし、右目に眼帯をして、台所へ行った。
「はい、ご飯」
優は黙々と朝食を食べると、制服に着替え、スポーツバッグを持って家を出て行った。
「7時ちょうどか…」
家から学校までは徒歩で7、8分。
十分間に合うはずだ。
優がゆっくりと歩いて行った。
すると、背後から声がした。
「ゆーうっ!」
幼馴染の倉田凪(女子6番)だった。
凪はいつも明るく、大人しめの優とは真逆のタイプだった。
「凪…」
「今日は修学旅行かあ…楽しみだね」
「うん、そうね」
2人は談笑しながら学校へと向かった。
その結果、少し遅くなったが、7時10分には、学校に着いた。
それから校長先生の退屈な話を聞かされ、バスに優が乗り込んだその時だった。
「高円寺、遅刻だぞ!」
担任の高村隼人先生の声がした。
どうも、優のもう1人の幼馴染、高円寺紀世彦(男子7番)がやっと着いたようだ。
紀世彦はスポーツが出来て、なかなか整った顔立ちで、他のクラスの女子からラブレターを貰うほどだ。
その紀世彦が汗だくでバスに乗り込み、優の隣に座った。
その時、優の顔が少し赤くなったのには、誰も気づかなかった。
<残り42人>