BATTLE
ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜
第3話
朝の学校への通学路を、1人の男子生徒が歩いていた。
その生徒の名は、佐藤康利(男子8番)。
今日は彼も修学旅行なので、集合場所の学校へと向かっているのである。
そんな彼の胸の名札には、「委員長」と書いたバッジがしてあった。
だが彼は、とても委員長には見えない風貌だった。
赤く染めた髪の真ん中辺りを、少し立てた、俗にソフトモヒカンと言う髪形をしていた。
康利は、左腕の腕時計を確認した。7時5分だった。
「十分間に合うな…」
すると、康利の横に、自転車に乗った女子生徒がやって来て、声を掛けてきた。
「おっす、委員長!」
「真弓かよ。お前自転車通学じゃねえだろ」
自転車に乗っていたのは、康利の幼馴染、湯原真弓(女子20番)だった。
陸上部で中距離専門にやっている。
真弓のあまりにも元気すぎる所を康利は、「本当に女か?」と思うこともあった。
だが、別に嫌いではなかった。
真弓は康利の言葉に言い返した。
「だって歩くの面倒なんだもん」
「お前仮にも陸上部だろ…それに校則違反だぞ」
「でも委員長も赤い髪じゃん。そんな人には言われたくないなー」
「なんだとぉ!」
「ほらそうやってすぐキレる! やっぱ委員長には見えないよ、康利!」
そう言って真弓は自転車で逃げた。
「コラ待て、真弓!」
康利はすぐに真弓の後を追った。
康利は離されなかった(帰宅部だが、体力には自信がある)。
やがて、2人は学校の校門をくぐった。
真弓を見て、担任の高村隼人先生は言った。
「湯原、お前自転車通学じゃないだろ。歩いて来い!」
「はーい」
気のない返事をして、真弓はバスに乗った。
その光景を康利は肩で息をしながら見ていた。
すると、仲の良い柔道部の須藤広樹(男子9番)が康利に近づき、言った。
「康利、何だってチャリを追っかけてたんだ?」
「何でもねえよ。そんなことより早く乗ろうぜ」
そう言って康利はバスに乗り込んだ。
後を追って広樹も乗り込んだ。
<残り42人>