BATTLE ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜


第4話

 ここは、とあるマンションの一室。
 そこの洗面所に、絵馬忍(女子3番)はいた。
 忍は鏡に向かっていた。
 だが、その忍の顔は本来の顔と少し違い、かなりこけていた。
 忍が自分の体の異変に気づいたのは1ヶ月前のことだった。
 体調が良くないので、病院に行ったのだった。
 医者は言った。
「大丈夫。たいした事はないよ。でも念のため、薬をあげますからね」
 しかし、忍はそのあと、その医者が別の医者に話しているのを聞いてしまった。
 自分の病気は最近韓半民国でも流行っている病気で、あと半年、場合によっては1、2ヶ月しか持たないと。
 それを聞いた途端、忍はこの世に未練を残さないようにしようとしてきた。
 1度してみたかった1人暮らし。
 両親に頼み込んで1人暮らしをさせてもらった(幸い、料理にはそれなりに自信があった)。
 そして、今までやっていた陸上部の部活動もさらに気を引き締めてやった。
 そこで忍はあることを思い出した。
―今日は修学旅行だったわね、確か。
 忍は時計を見た。
―もう7時10分!?
「急がないと!」
 忍はスポーツバッグを持って部屋を出た。
 学校へ向かって走っていると、前を陸上部の仲間で委員長の兎丸葵(女子13番)と、いつもクールな阿佐田仁美(女子1番)が走っていた。
「葵、仁美」
 忍が声を掛けると、2人は走りながら振り向いた。
「忍、あんたも遅刻?」
 仁美が言った。
「うん、まあね」
「あれ、忍顔色あんまり良くないよ? 大丈夫?」
 葵が言った。
「大丈夫よ」
「そんなことより、早く行かないと、高村にどやされるよ?」
「あっ、ヤバい! 急がないと!」
 そして3人はしばらくして学校に着いた。
 どうも遅刻したのは汗だくになっている高円寺紀世彦(男子7番)と忍達だけだったようだ。
 すぐに担任の高村隼人先生がやって来て、言った。
「兎丸、阿佐田、絵馬、遅いぞ! 特に兎丸、お前は委員長だろうが!」
「はい、すみません」
 そう言うと、葵はバスに乗り込み、続いて忍と仁美も乗り込んだ。
 そしてそのバスは、修学旅行へと出発した。
 これから悪夢が待っているとも知らずに…。


<残り42人>


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