BATTLE ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜


第25話

「嘘…、みんな殺し合いしてるの…?」
 放送を聞き終わった旗井卑弥呼(女子18番)は呟いていた。
―何度か銃声がしてたから、まさかとは思ったけど…。
 卑弥呼は、右手にある支給武器のルガーP08を見た。
 いつかは、これを使って人を殺さなければいけないのだろうか?
「でも…」
 人殺しにはなりたくなかった。
 それはこの島にいるほとんどの者が思っている事だろう。
 そこで、卑弥呼はあることを思い、自分の私物が入ったスポーツバッグからタロットカードを取り出した。
 卑弥呼は、占いが得意だった。
 母親が街の占い師で、父が霊媒師という家系故の遺伝だろうか。
 とにかく、卑弥呼はタロットカードを切った。
 そして、一番上のカードをめくり、それの絵柄を見た。
 それを見て、卑弥呼は驚愕した。
「嘘でしょ…?」
 出たカードは―、DEATH(デス)。
 意味は…
―「突然の死」、「暗殺」。
 すると突然、後頭部に鈍い痛みを感じ、卑弥呼はうつ伏せに倒れた。
「う…っ!」
 そして、卑弥呼が背後を見ると、血の滴る鉄球をぶら下げて立っている絵馬忍(女子3番)がいた。
 想像は容易に出来た。
―私、絵馬さんに殴られたんだ!
 そして卑弥呼は手にルガーを持ち、撃った。
 ぱん。
 しかし、銃の反動が大きすぎて、銃弾は見当違いの方向に飛んでいった。
 そして再び忍が鉄球を振り下ろしてきた。
 べきっという音がし、卑弥呼の右腕が折れた。
「痛いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
 卑弥呼はルガーを取り落とし、うずくまった。
 だが、卑弥呼はなおもルガーを拾おうと試みた。
―死にたくない!
 ただ、その考えだけで動いていた。
 それでも、忍は動じず、鉄球を振り下ろした。
 鉄球は卑弥呼の頭頂部に当たり、卑弥呼の視界は暗くなった。
 うつ伏せに倒れた卑弥呼の死体には目もくれず、忍はルガーを拾った。
 こうして、卑弥呼の最後の占いは、見事当たってしまったのだった。

 女子18番 旗井卑弥呼 退場


<残り35人>


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