BATTLE ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜


第27話

「くそっ! もう残り36人だと!」
 時田賢介(男子16番)は叫んでいた。
「早く、俺たちの作戦を決行したほうが良いな」
 隣の、吉山孝太(男子21番)が言った。
「ああ、そうだな」
 2人は小さい頃から仲が良かった。
 いつも一緒に遊び、一緒に楽しみ、一緒に怒り、一緒に悲しみ、一緒に笑った。
―でも、もう2人一緒に生きて帰ることは出来ないだろう。
 脱出しようにも、2人にはその方法がなかなか思いつかなかった。
 そして賢介は、孝太の支給武器、メガホンを見て、言った。
「やるしかないな。…孝太、成功する可能性はかなり低い。でも…一緒にやってくれるか?」
 孝太は頷いた。
「当たり前だろ。俺たち、親友じゃねえか」
 2人はメガホンを手に、立ち上がった。
―2人の作戦。
 それは―、停戦を呼びかける事。
 このメガホンでクラスメイトに停戦を呼びかけ、全員で脱出法を考える、といった作戦だ。
 幸い、2人のいる場所がこの島で一番高い場所、山の頂上のE−5だったため、移動する必要もなかった。
 まずは、賢介が叫んだ。
「みんな、戦うのを今すぐやめろー! 俺は時田だ。今、E−5に吉山孝太といるんだ! 俺は人が死ぬのを見たくないんだ、だから殺し合いを止めてここで脱出の方法を考えよう!」
 そして、次は孝太が叫んだ。
「吉山だ。殺し合いなんて意味のないことは止めて、脱出の方法を考えよう!」
 それからしばらくして、山の北のほうから、誰かが登ってくるのが見えた。
「おい、誰か来るぞ!」
「やった、俺たちの行為は無駄じゃなかったんだ!」
 2人は、作戦成功を喜んだ。
 しかし、この後起こることを、2人は知っているはずもなかった―。


<残り34人>


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