BATTLE
ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜
第30話
先ほど、吉山孝太(男子21番)を殺した高円寺紀世彦(男子7番)以外にも、孝太と時田賢介(男子16番)を狙っていた人物がいた。
神野優(女子8番)である。
優は先ほど、孝太と賢介が呼びかけをしていたE−5へ向かった。
だがそこには孝太の首に刃物を刺された死体だけが残っていて、賢介の姿はなかった。
その後、F−6で何者かが言い争う声が聞こえたので、そこへ走った。
そして今、優はF−6へたどり着いた。
しかし、そこにも人の姿はなかった(玉田龍ノ介(男子13番)も、立ち去った後だった)。
「2度も逃すなんて…惜しかったみたい…」
優は呟いた。
そこで優は、近くの林の中に、誰かが倒れているのを発見した。
優は、その林の中に入っていった。
倒れていたのは、名神和代(女子14番)だった。
恐らくさっきの言い争う声の片方は、この和代だろう、と優は思った。
和代は、気絶していた。
―チャンスかもしれない。
優はそう思い、和代の頭にSPASの銃口を向け、引き金を引いた。
どん、という銃声と共に、和代の頭は弾け飛んだ。
おそらく和代は痛みすら感じなかっただろう。
こうして、名神和代はあっけなく死んだ。
―紀世彦くんは一体何処にいるんだろう…?
「…まあきっと、元気だよね」
そう言うと、優は南の方へ歩いていった。
女子14番 名神和代 退場
<残り32人>