BATTLE ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜


第31話

「ふう…ちょっと休憩するか…」
 曽原秀也(男子10番)はF−3まで来た所で、そこにあった大きな石に座り込んだ。
 秀也は診療所から離れてから、誰とも会っていなかった。
 そして放送で自分を庇った今井友也(男子2番)と自分が殺した彦野勝(男子19番)を含めた6人が死んだ事を知った。
 その後も東の方で銃声が聞こえて来る度、その銃声が誰かの命を奪ったのだろうかと気になって仕方なかった。
 秀也は悩んでいた。
―友也に、この命を無駄にはしないと誓ったのに、脱出の方法すら考えつかない…。どうすればいいんだ…。
「とりあえず仲間を探すべきかな…でも、俺は多分信用されてないだろうしな…」
 そう秀也が呟いてE−3の方を見ると、その方向から誰かがやってくるのが見えた。
「誰だ!」
 秀也はその人物にデリンジャーを向けた。
「も、もしかして、秀也か?」
 その人物が言った。
「何?」
「俺だよ、公平だよ」
 その人物は、津田公平(男子14番)だった。
 公平は、秀也と小学校の頃から仲の良かった良き友人だった。
 秀也が不良になったとき、公平もついて来て不良になったのだが、勝と喧嘩になり、すぐ抜けてしまったのだった。
「公平…」
 そこで、公平が話を切り出してきた。
「ところでさ、秀也。…年秀、見なかったか?」
「名和?」
 名和年秀(男子17番)といえば、公平の不良仲間で、たしか瀬田祐美(女子10番)と付き合っていたはずだ。
 そして秀也は、言った。
「いや…見てないな」
「…そうか」
「ところで公平、俺、脱出の方法を探してるんだけど、仲間になってくれそうな奴、いるかな? 俺、他のクラスメイトとあんまり付き合いなかったからさ、わかんねーんだ」
 それを聞いて、公平が言った。
「そういや、さっきC−3の農協に藤川と橘と小畑がいたな。あいつらなら、信用できると思うな」
「そうか、サンキュ。…じゃあな」
「ああ…」
 そう言うと、公平は歩き出した。
 その公平に、秀也は言った。
「公平、死ぬなよ」
「もちろん」
 そして公平は走り去っていった。
「…さてと。そろそろ行くかな」
 秀也は立ち上がった。


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