BATTLE ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜


第37話

 入ってきた曽原秀也(男子10番)に藤川圭吾(男子20番)は聞いた。
「…お前の武器は何だ?」
 すると、秀也は答えた。
「…今は橘が持っている」
 そこで橘蓮(男子12番)が圭吾に秀也から預かったデリンジャーを見せた。
「なるほどな。まあ、お前の知ってる事を教えてくれ」
「…俺を信用してくれるのか?」
「ああ。信用する」
 そして秀也は今までの事を話した。
 今井友也(男子2番)、彦野勝(男子19番)と一緒にいたが、勝が裏切り、自分を庇った友也が死んだ事。
 その直後に勝を殺した事。
 朝になってから、津田公平(男子14番)に会い、ここに圭吾達がいると聞いた事。
「そうか、ありがとう。ところで2人とも。これを見てくれないか」
 圭吾は話が終わると、そう言って蓮と秀也に地図の裏(小畑智(男子3番)に見せたものだ)を見せた。
 それを見て2人は、智と同じ、ギョッとした顔をした。
「な…っ」
「ホントかよ!」
 2人は揃ってこう言った。
 圭吾は紙に書いた。
『本当の事だ。そこで2人に頼みたい事がある。硝酸アンモニウムっていう物質が必要なんだが、調達してきてくれないか?』
 今度は蓮が走り書きみたいな感じで書いた。
『別にいいけど…何処にあるんだ? そんなの』
『これは肥料だから…農家とかにあるかもしれないな』
『分かった。じゃあ早速行ってくる』
 蓮が紙にそう書き、立ち上がったその時、智が言った。
「待って! デリンジャーよりこれの方が使いやすいと思うから…持っていってくれる?」
 智は、ワルサーを蓮に渡した。
「サンキュ」
 蓮はすぐにデリンジャーを智に渡した。
「じゃあ行ってくる!」
 そう言って、蓮と秀也は農協を飛び出していった。
「…じゃあ、今度は僕が見張りに立ってくるね」
 そして、智も出て行った。
 圭吾は、すぐにノートパソコンに向き直った。
―見てろよ、稚下野。お前ら政府の犬どもに、一泡吹かせてやる。


<残り30人>


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