BATTLE ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜


第38話

「ちくしょおおお! 広樹は俺の手で殺してやろうと思ってたのに!」
 放送が終わってからも、佐藤康利(男子8番)は怒り狂っていた。
 その理由とは、自分が追っていた須藤広樹(男子9番)が既に死んでいたという、非常にくだらない理由だった。
 だが、やがて康利は冷静になった。
 怒る理由がくだらないのに気がついたのもあったが、自分のいるJ−6が禁止エリアに指定されたので、早く動かなければならなかったからだった。
 そして康利は、北へ移動を開始した。
―政府への復讐が出来るまであと29人! はやく復讐してやりたい、真弓のためにも!
 やがて康利は、H−6に着いた。
 そしてそこで、銃声と誰かの叫び声がした。
「何だ、今の叫び声は?」
 すぐに康利は茂みに隠れ、様子を見た。
 どうも、1人の女子が2人の女子を追っているようだった。
 追いかけているのはショットガンを持った神野優(女子8番)。
 追われているのは武田尋子(女子11番)と土佐洋美(女子12番)だった。
 尋子と洋美は、2人とも同じ漫画同好会に入っていて仲が良かったし、漫画同好会に入っているとは言っても、名神和代(女子14番)みたいに、オタクとして悪く見られる事はなかった。
 つまり言ってみれば、普通の女子だった。
 よく見ると、洋美は左足から血を流していた。
 優に撃たれたのだろう。
 2人は少しずつ康利のいる方向へとやって来ていた。
「もう少し様子を見るか」
 康利はそう呟いた。


<残り30人>


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