BATTLE
ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜
第41話
「優勝するのは俺だよ、龍ノ介」
「な…急にどうしたんだよ、正樹!」
「うるさい、俺は死にたくないんだ!」
そう言って正樹は龍ノ介に向かって拳銃を構えた。
「う…うわあああ〜!」
龍ノ介はそう叫んで、現実の世界に戻った。
玉田龍ノ介(男子13番)は、G−5の寺院の中で眠っていたところだった。
―また、嫌な夢を見ちまった…
この夢を見たのもこれで10回目だ。
―しかし、未だに朝のことが気になる。
名神和代(女子14番)に襲われている時田賢介(男子16番)を助けた時の事だ。
―なんで俺は時田を助けたんだ?
―時田のみんなを説得するという言葉に期待したから?
―バカな! 俺は1年前のあの時、正樹に裏切られてからというもの、人を信じるのをやめたはずなのに。
―なんであの時名神を殺さず、助けようとした?
―最終的には誰かが来て名神は殺されたが、俺がやつを助けようとしていたのは事実だ。
―なんでだ? 人は親友とは言えども信じてはいけない。あの時そう悟ったはずなのに。
―分からない。何故だ?
龍ノ介は、ひたすら考え続けていた。
そんな頃、プログラム本部モニター室。
「おい、玉田は動いたか?」
稚下野六郎(埼玉県立北屋中学校3年A組プログラム担当官)は、モニターに向かっていた兵士、御森に聞いた。
「いえ、まだです」
「…そうか」
そう言うと、稚下野は自分の机の上の資料を手に取った。
そしてニヤリと笑った。
「こいつがやる気になれば、面白いんだが…な」
その資料にはこう書いてあった。
「玉田龍ノ介。1年前、茨城県立第三中学校3年C組で行われたプログラムの優勝者。ゲーム中はずっと脱出策を考えていたが、親友の淵田正樹に裏切られ、逆上して彼を殺害。その後誰も信じなくなり13人を殺害し優勝。今回の優勝候補最右翼である」と。
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