BATTLE
ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜
第42話
「何処だ…何処にいるんだ、祐美…」
F−4の茂みを、名和年秀(男子17番)は歩いていた。
恋人の瀬田祐美(女子10番)に逃げられてからずっと、年秀は寝ないで祐美を探し続けていた。
―俺が、祐美を守らないと…
年秀は、祐美と付き合いだした頃のことを思い出していた。
1年前…年秀は祐美に体育館裏に呼び出された。
そしてそこで待っていると、祐美がやってきて唐突に言った。
「私、ずっと名和君が好きだった。だから…付き合ってください」
年秀はOKした。
そして2人は付き合いだした。
それからというもの、年秀は祐美についていろいろ知った。
祐美が実は料理がうまいという事。
祐美は不良グループの中でもかなりの怖がりだという事。
祐美が始めて惚れたのが…年秀だったという事。
―くそっ、何処にいる、祐美…
その後年秀は、少し北のE−4、その少し西のE−3の果樹園も探してみたが、祐美はいなかった。
―何処にいるんだ、一体…
そうして年秀が途方にくれて座り込んでいると、誰かの足音がした。
「誰だ!」
年秀がダガーナイフを構えると、その人物が言った。
「…年秀か?」
「え?」
「俺だよ、公平だよ! 探したんだぞ、年秀!」
その人物は、年秀の親友、津田公平(男子14番)だった。
<残り28人>