BATTLE
ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜
第43話
「ところで…何やってんだお前?」
津田公平(男子14番)は、そう名和年秀(男子17番)に聞いた。
「祐美を…探してる」
年秀は答えた。
「そっか…会えなかったのか?」
「いや…混乱してたのか、逃げられた。そういや、お前誰かに会ったか?」
すると、公平は答えた。
「秀也に会ったよ。6時間くらい前にここで。その後俺は、島を一周したんだ」
公平は曽原秀也(男子10番)の名を出した。
「何か話したのか」
「ああ…あっ、そういえば秀也、この島から脱出しようとしてるらしいぜ!」
「本当か! …でも、俺は祐美を探さないと…」
年秀がそう言うと、公平はにっと笑って言った。
「大丈夫だよ、俺も手伝ってやる! そして瀬田を見つけたら、3人で秀也のところへ行こう! 場所は確かC−3だ」
「ああ」
そう年秀が言った瞬間、ぱららららという音がして、年秀は倒れた。
年秀は、両足と、腹を撃ち抜かれていた。
「くそっ、やる気の奴か?」
公平は柳刃包丁(これは公平の支給武器だ)を取り出した。
しかし、年秀は言った。
「公平…行け。行ってくれ」
「何言ってんだよ、年秀」
「俺はもう…祐美には会えないだろう。だから…公平、祐美を探して…2人で曽原のとこ行ってくれ」
「…分かった」
公平は、北へ走り去った。
そして年秀は、ダガーナイフを構えた。
「早く…出て来いよ、そこに…いるんだろ?」
そして、果樹園の木の陰から、不良グループで年秀の友人の信行寺道世(女子7番)がイングラムM10サブマシンガンを持って出てきた。
「信行寺…お前も、やる気なのか?」
道世は答えた。
「そうよ。あんたと祐美を殺すためにね」
「どういうことだ?」
道世は言った。
「覚えてるよね? あたしがあんたの事好きだっていった事」
「ああ…覚えてるよ」
「でもあんた言ったよね? 俺はお前と友達でいたいって… なのに何で祐美の告白は一発OKなの? 許せない!」
道世は再び、イングラムを構えた。
年秀は言った。
「そうか…知らない間に、俺はお前を傷つけていたのか…。悪かった。でも…祐美だけは殺さないでくれ。俺は死んでもいいから…祐美だけは…頼む」
そして道世のイングラムが火を噴き、鉛弾が年秀の全身を貫いた。
年秀は仰向けに倒れ、死んだ。
その死に顔は死を悟った、そんな顔をしていた。
道世は言った。
「何でよ。何でそんな顔で死ねるの? 何で!」
そして道世は歩いていった。
男子17番 名和年秀 退場
<残り27人>