BATTLE
ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜
第50話
円谷和彦(男子15番)が農具小屋に着いた頃、曽原秀也(男子10番)と橘蓮(男子12番)も、農具小屋のあるG−8に入っていた。
「おっ、やっと見えてきたぞ」
蓮が言った。
そこで秀也が、言った。
「何かの音がした…」
「え? 何の音? どこから?」
「…農具小屋だ。車のエンジン音みたいな…」
そして蓮はもう100メートルも離れていない農具小屋を見た。
確かにエンジン音は農具小屋の中から聞こえてくる。
―一体、何で…
蓮がそう考えた直後だった。
農具小屋の中から、突如車が飛び出してきたのだ。
その車は真っ直ぐ蓮と秀也に向かってくる。
そしてその車の運転席には、円谷和彦がいた。
「和彦の奴…やっぱり…」
秀也がそう呟いたのが聞こえた。
「曽原、下がっててくれ」
蓮はそう言って、ワルサーを構えて撃った。
しかし、弾は車のウインカーとヘッドライトの片方を割っただけだった。
だが、和彦の乗った車は、もう諦めたのか、西のほうへ走り去っていった。
―ふう…思わぬ事があったが…でも、もう大丈夫だな。
「曽原、早く肥料を調達しようぜ」
「オーケイ」
2人はすぐに農具小屋に入っていった。
30分後…
「おい、橘! あったぞ! しかも3袋も!」
「こっちには軽トラがあったぞ! しかも鍵が付けっぱなしだ! 曽原、硝酸アンモニウムを荷台に載せろ」
そう言われて秀也は、軽トラに硝酸アンモニウムの袋を載せた。
「俺が運転する」
蓮が運転席に乗り込み、言った。
「橘、お前運転できるのか? それに、ガソリンは…」
「ガソリンは満タンだ! じゃあ行くぞ!」
蓮は鍵を回し、アクセルを踏んだ。
軽トラは、農協に向かって走り出した。
<残り24人>