BATTLE
ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜
第61話
「…もう残り19人か…」
絵馬忍(女子3番)は、C=4にあった大きな石に座り込み、考えていた。
―あと18人を殺せば、私の目的は達成される!
だが、忍は悩んだ。
既に人殺しであり、脱出を試みたりしている者たちにとっては、悪人そのものの自分が生き残っていいのかどうか…と言う事である。
「…」
そして忍は悩みぬいた結果、決めた。
―もう、後戻りは出来ない。…それに、私の目的は生き残る事じゃない…、「優勝」することなんだもの。「優勝」したらその後はもう―、死んでもいいから―。
そこを、1台の軽トラが通って行った。
「…何? あれは…。何か積んでたようだけど…、あっちは本部がある方向…あっ!」
忍は気付いた。
あの軽トラに乗っている者たちは、本部を破壊する気なのだろう。
だがそんな事をされたら、忍の目的は達成できなくなってしまう。
―そうなる前に、倒さなきゃ。
忍は立ち上がり、軽トラに向けてシュマイザーMP40を乱射した。
「ね…ねえ圭吾…絵馬さんが…マシンガン持って追いかけてくる!」
軽トラの荷台に乗っていた、小畑智(男子3番)が叫んだ。
「な、何!?」
「蓮、もっとスピード出せないのか!?」
助手席の藤川圭吾(男子20番)は、軽トラを運転していた橘蓮(男子12番)に向かって叫んだ。
「無理だ! これ以上速く走ると智と曽原が振り落とされちまう!」
「…くそ、このままじゃ、銃声を聞いて他のやる気の奴も集まってくるぞ!」
そんな中、荷台にいた曽原秀也(男子10番)が言った。
「藤川。俺が降りて絵馬を止めてくる」
「な…何言ってんだ! 絵馬はマシンガンを持ってるんだぞ!? お前が死んじまう! やめろ!」
圭吾は止めようとしたが、秀也は言った。
「大丈夫だ、必ず戻って来る! だから絶対に作戦を成功させようぜ!」
そして秀也は軽トラから飛び降りた。
「そ…曽原ーっ!」
<残り19人>