BATTLE ROYALE
〜 殺戮遊戯 〜


第63話

 玉田龍ノ介(男子13番)は目の前でマシンガンを構える絵馬忍(女子3番)に向かってデリンジャーを構えながら、思っていた。
―普通なら、俺の負けなんだろうな。――――さあ、こちらでは玉田龍ノ介対絵馬忍戦のトトカルチョをやってるよ。みんなどんどん賭けて頂戴。―ああ、やっぱりみんな絵馬忍かあ。そりゃあマシンガン対デリンジャーじゃあなー。さあオッズは絵馬忍1.05倍、玉田龍ノ介99.95倍だよ。玉田龍ノ介は大穴だから一攫千金狙うなら玉田にしようねー。…ああ、そこのお父さん、玉田に賭けるの? 頑張ってね、っていうかそれは玉田に言わないとね。
 そんな場違いな事を想像しながら(ついさっきまではこんなこと思いつきもしなかった。だいぶ頭が最初のプログラム前に戻ってきたのかもしれない。)、龍ノ介はデリンジャーを撃ちまくった。
 だが、弾はすぐ切れてしまう。
―! 使い勝手が悪いな、この銃は!
 そうやってひたすらデリンジャーの弾込めを繰り返しているうちに、忍が撃った弾が、木の幹を貫き(だいぶ撃ちまくったみたいだな、絵馬。だがこれは自然破壊じゃないのか?)、龍ノ介の全身を貫いていた。
「ぐああっ!」
―マズイ…このままじゃ…。
 龍ノ介はふと、傍らに置いていた鉄パイプに目をやった。
「―!」
 龍ノ介はデリンジャーを捨て(悪いな、曽原)、鉄パイプを持って素早く忍に向かって突っ込んでいった。
―素早く奇襲を仕掛けてやれば…!
 忍の銃撃を何とかかわしながら、龍ノ介は忍に迫っていった。
 そして、忍の横を捉えた。
―よし!
 龍ノ介は鉄パイプを思い切り忍の延髄目掛けて振った。
 その時だった。
 忍が素早く振り返り、シュマイザーを龍ノ介に向けてきた。
―な! 何故そんなに素早く…。
 そして忍がシュマイザーの引き金を引くと、銃声とともに龍ノ介の頭が吹き飛び、身体が仰向けに倒れた。
 そして忍は龍ノ介の死体には見向きもせず、逃げた曽原秀也(男子10番)を追い始めた。

 男子13番 玉田龍ノ介 退場


<残り18人>


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