BATTLE ROYALE
終わりに続く階段


第8話

「はぁはぁ」
 
七姫蓮(男子2番)は頭痛のせいかC‐4の木造の家で激しい痛みに耐えられずぐったりと倒れた。
 母さん…聖…
 彼の頭の中には病気で倒れた母親と10歳年の離れた弟聖のことしかなかった。
 自分がいなかったら母さんの世話は誰がする。誰が母さんを守る。
 自分がいなかったら弟の世話は誰がする。誰が弟を守る。
 誰が…!
 強い覚醒と衝撃とともに蓮は性急に立ち上がり、そばに置いてあった自らの支給武器ファイトセブンを握ると、その家から出て行った。
 
五十嵐桃子(女子1番)柳生俊哉(男子4番)を殺した。もう後戻りは出来ない。
 弟と母親を守るために、優勝をしなければ。
 ふいに拳を握った。
 つめが深く食い込み拳からはじわりと赤い液体が流れだしてきた。
 犠牲と戦争を連想させる血液が・・・
「さぁて頑張るかぁ」
 いつものお気楽さで雑木林へと走った。そうしないと狂ってしまうから。

 残り5名


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