BATTLE
ROYALE
〜 終わりに続く階段 〜
第13話
「椎名! 死ね!!」
罵声が聞こえた瞬間、私は弾かれたかのようにその細い道を全速力で走り出した。
さすがソフトボール部3番エース、服部とまではいかないが、その俊足を使い、一気に楠の間合いから遠のいた。
だが次に聞こえたのは罵声ではなかった。
アサルトライフルが神速のリズムを刻み、鉛球は標的に当たることはなかったが、周囲の建物を軽々と貫通し、曇った窓ガラスは砕けそして弾け飛んだ。
まだ罵声のほうが可愛いだろう。
口に出す暇は今の状況ではとてもないため心の中で留めた。
そして…
再びアサルトライフルから火が噴かれると左腕に激痛が走り、あれっ? ということも許されず急に体制を崩し、空中で半回転すると
アスファルトの硬い地面に仰向けに叩きつけられた。
死ぬ、死ぬ、殺される!
嫌だ、こんなところで…
左腕の痛みやアスファルトに叩き付けれた痛みもとうに忘れ、頭の中がごちゃごちゃに混乱気味になってきた。
そして楠がアサルトライフルの撃鉄を引くのが視界に移ると、混乱は頂点に達した。
「あぁぁぁぁ」
そして何がなんだかわからず右手でずっと握っていた制汗スプレーを相手に吹きかけた。
白い煙の塊が楠の顔面に直撃すると楠はアサルトライフルをその場で落とし、即座に両目をふさいだ。これは致命傷だろう。
今のうちしかない!
そう思うと仰向けになった体を思いっきり起こし、痛みをこらえると東側へと逃げ込んだ。
残り4人